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09-17.元連隊長、遺跡に行く6

ヴィーツが一通り操縦を満喫した後、ライラスが操縦を代わって浮遊城は元の位置へ帰還した。

アストランは自分の体質を気にしてか、速度の出る乗り物が怖いのか、操縦を代わりたがらなかった。


タモツは管制室で城の中枢とコンタクトを取り、城の武装について報告させた。

城の外部を映し出していた映像は、全面が説明の映像に切り替わった。

<浮遊城が現在搭載している攻撃装備の一覧は以上になります>


これはまるっきり、現実世界のコンピュータみたいだな……。

タモツは感嘆した。

浮遊城の概要を現した図に加えて、どこに何の武装が搭載されているかという表示が現れた。

その文字は全て、トラホルン語に翻訳されている。それもタモツの頭の中から抜き取った知識によるのだろう。

あの危険な爆槍については見当たらなかった。

城のメイン火器は対空砲と思われる魔弾弓、それから大口径の魔砲であった。


「これらの兵器は現在も撃てるのか?」

というタモツの問いに、城の中枢は、

<問題なし>

という回答をよこした。

つまり、この浮遊城は空中要塞として今でも問題なく機能するということだった。

もしこれに地上爆撃用の爆槍などが加われば、間違いなく地上最強の兵器として運用が可能になる。


「どうするアストラン、この浮遊城を封印する? それとも平和利用する?」

タモツは遺跡からの緊急脱出に転送門が使えるのかを試してから、アストランに確認した。

遺跡の内部から外部への転送門は開くことができ、彼らは浮遊城の外側に転送されていた。


ヴィーツが入り口に戻って確認したところ、アストランが停止させたはずの侵入者排除のセキュリティは再起動しており、アストランの意思次第によってこの遺跡はもう使えないことになる。

「ちなみにさー、侵入者選別装置? の音声はトラホルン語になってた」

ヴィーツは戻ってきてそう報告した。


アストランはしばらく考えてみたのちに、言った。

「今はまだ答えを出せないな。少し考えさせてくれるかい」

「そうだね、今すぐ答えを出す必要はない」

「この浮遊城を平和的に利用できる運用法を考えて、それと軍事利用される危険性とを秤にかけてじっくり考えてみたいんだ」

「わかった」

タモツはアストランの答えを待つことにした。


「じゃあ俺は平和利用の方法を色々考えてみるかね」

「ヴィーツは思い付きがいいからな。期待しているよ」

錬金術師ライラスは笑った。

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