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09-14.元連隊長、遺跡に行く3

結論から言うと、遺跡は動いた。


<中央管制室>と書かれた大きな部屋には、また入り口に身分証明を要求する装置があった。タモツはヴィーツに念話を送り、到着したアストランが装置を無力化して四人は中に入った。


そこは、驚くほどに異質な部屋だった。

現実世界の知識があるタモツから見れば、宇宙船の操縦室というように見えた。

四人が室内に侵入すると部屋の正面の壁一面に、城の外部の映像が映し出された。


「なななな、なんだこれっ!」

ヴィーツは仰天して叫んだ。

ライラスはあんぐりと口を開けて呆然としている。

アストランは冷静に映像を見つめて言った。

「タモツはあまり驚いていないようだけど、元の世界で似たようなものを見たことがあるのかい?」

「あるよ。映像などを壁に映し出す装置というのは僕のいた世界ではそう珍しいものではなかったんだ」

「これは、城の外の情景のようだけどこれを見ながら城を操縦できるということか」


中央に大きく城の城門方向の映像。そして、周囲に小さく側方や後方の情景が映し出されているようだ。

部屋の内部は10メートル四方くらいあり、部屋の中央に高くなった場所があり、椅子が置かれていた。

その前に何かの装置が存在していた。椅子の前に斜めに飛び出た小さな机のようなものである。

「あれが操作盤?」

タモツはライラスをうながして中央の制御装置らしきものに近づいた。


<――――>

古代イムル語らしき言語で、機械音声のような女性の声が何事かを言った。

「操る人を、登録? してください」

やや自信なさげに錬金術師ライラスが翻訳した。

タモツは制御盤の上に右手の平を置き、

「オキザワ・タモツ」

と言ってみた。


<――――オキザワ・タモツ>

「認めました。操縦者オキザワ・タモツ」

ライラスが今度はハッキリと言った。

タモツは椅子に座り、制御盤の上に手をかざしたまま、

「浮遊城、浮上!」

と叫んでみた。


<――――!>

「浮遊城、浮上しますっ! みんな気をつけろっ」

ライラスが叫んだ。


城中に警戒音が鳴り響き、女性の音声が繰り返された。

<浮遊城、浮上します!>

のあとに、なにか注意喚起をしているようだった。振動に気を付けてくださいとか、周囲のものに掴まってくださいとかだろうとタモツは思った。


墜落時に斜めになっていた浮遊城はまずは姿勢を戻すことにしたらしい。椅子に座っていたタモツはなんでもなかったが、他の3人は振動に振り回された。


そして、浮遊城は空に浮き上がった。

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