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07-15.元特務隊長、ドラゴン飯店に集まる3

「望星教団が怪しいというのは、まだ確定した話ではないんだけれどもね――」

タモツは慎重に言った。

「ただ、パバール導士が何者かにそそのかされて、洗脳されていたという可能性は無くもないと思う」

「俺は、あのおっさんのこと好きだったよ」

ハジメは天津丼を食べ終えてから、率直に言った。


「人は皆死ねばホトケ、だなんていう日本式の考えはここでは通用しないぞハジメ。それは外では口外しないほうがいい」

冴子はそう言ってたしなめたが、ハジメの思いに反対はしなかった。

冴子もまた、刈谷ユウスケに誘拐されたときパバールに助けられた思い出を持っているからだろう。


「どうしてこんなことになっちゃったんだろうね。パバール導士のしたことは決して許されることではないけれど、誰かがギスリム国王とパバール導士の間に入って取り持つことができたら良かったかもしれないのに」

タモツが言った。

「まあ、いまさら何を言っても仕方ねえけどなあ。解決法が浮かんだところで時間をもとには戻せねえし」

「本当ですねえ」

カナデが珍しくしんみりとして、ハジメに同意した。


「望星教団の調査については、岡崎くんとサルヴァ姫に重ねて依頼をしておこう。すでに押井商会をはじめ、バルゴサ国内に多数の密偵を放って調べてくれているようだったが」

冴子が言った。

「刈谷のバックが望星教団と決まったわけではないけれど、そのカルト教団みたいな組織が黒幕だと考えると色々符合するところがあるんだよね。サエちゃんを<自衛官の手で殺させる>ということに拘っていたのも、何かの……」

タモツはそこで言葉を切った。


「どうした、タモツ?」

「今回の事件、ギスリム国王が<トラホルン人の手によって>殺されているよね。何か関係があるんだろうか」

「太古の女神を復活させるってのが教団の目的だとかなんだとかギスリム国王に聞いたことがあるが、その儀式に利用されたってことか?」

「なんのためにです? 復活させるって、肉体を奪って霊を憑依させるみたいなことだったら、殺しちゃうのはダメなんじゃないですかぁ?」

「わからない。それは分からないけど、特定の条件を持つ何者かを同族殺しによって殺害することで、何かの儀式の条件を満たすのかもしれない……」


「バルゴサが王都の上空に落とそうとした<爆槍>だっけ? あれの開発にももしかしたら関わっているのかもしれねえんだろ? そいつらが黒なら徹底的に叩きつぶさねえとならねえな」

ハジメはむっつりとした表情で言い、それから茶をすすった。

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