プロローグ
初投稿作品です。言葉や表現がおかしい部分もあると思いますが、温かい目で見ていただければ幸いです。
作者は学生なので、不定期更新(平均二〜三日に一回ほど)になります。
プロローグ
俺の名はハロルド。ルーンフェンサーで、一応勇者パーティーの一員だ。
ここは冒険者ギルドの一角で、今日は勇者パーティー定期集会の日。俺は、三人のパーティーメンバーから睨まれていた。理由はまぁ、分からなくもないが。
なにしろ、俺はその三人から嫌われているらしい。
そして、その中の一人からこう言われた。
「お前とはもうやっていけない……このパーティーから出ていけ」
そう言ったのは、このパーティーのリーダー、エッケハルト。
彼は聖剣レブリットに選ばれた勇者である。周りから「勇者様」と言われている
からか態度が大きいが、その強さは本物だ。実際に、一度に襲いかかってきた10体のモンスターを一撃で倒したり、勇者になる以前には、素手で大型魔獣を倒したんだとか。
俺は言われた言葉に驚いたが、表情は変えずに「分かった。これからも頑張れよ」とだけ言い立ち去ろうとしたが、次に言われた言葉で動きを止めた。
「アンタは役立たずなのよ。出ていってくれて清々するわ!」
椅子の背もたれに寄りかかり、足を組みながらそう言ったのは、メイジのフィロメルナ。
彼女は、一番の勢力を持っているテンブルク王国から派遣されたメイジなのだが、性格と口がとことん悪い。以前所属していたギルド内でも、後輩への悪口や
嫌がらせを繰り返していたらしい。その癖先輩には媚びを売っていたため、彼女を気に
入っていた者が推薦し、彼女の本性を知らない王国は了承してしまったのだ。
「おい、流石に言い過ぎだ。もういいだろう」
そうフィロメルナを制したのは、シールダーのダライアス。
なんと彼は、自ら志願してこのパーティーに加わったそうだ。本来ならば国が派遣するか指名するはずなのだが、派遣可能なシールダーの実力不足に、彼に十分な
実績があったことが相まって、彼のパーティー加入が許可されたらしい。実際の
戦闘でもその実力を発揮し、パーティーメンバーを数多の攻撃から守ってきてくれた。
「何よ。別にいいじゃない。この際だから色々言っておいたほうがいいでしょう?」
「フィロメルナに同意です。しっかり言わないと、分からないでしょうから」
呆れを含めた声で言ったのは、クレリックのヨーシフ。
彼は教会から派遣されてきた。神への信仰心が強く、多種多様な回復・
強化・デバフ解除魔法を使用できる彼は、クレリックの鏡なんだそうだ。普段は
温厚な人柄なのだが、俺といる時だけそうではなくなる。
「ヨーシフまでそんなことを……これから出ていく奴に言う必要はないだろう」
「いいじゃない。コイツのためにも言ってあげましょう?」
そう言ってフィロメルナは俺の方に向き直り、睨みつけてきた。
「アンタ、自分が足手まといだって自覚あった?!いつもヨーシフとダライアスに
助けられてばっかり!それに、ルーンフェンサーなのに攻撃しないし魔法も使わ
ないで支援してるだけで全然役に立たない!!少しくらいは」
「いい加減にして」
今まで黙っていた俺の隣に座っている少女が、フィロメルナの言葉を遮り、静かだがよく通る声で言った。
彼女の名はエフェリナ。エレメンタラーのハーフエルフで、俺たちが妖精界を
冒険している途中で仲間になった。幼い見た目に反し、200歳を超えている。
まぁ、人間の歳《とし》に換算すると、17歳くらいらしいが。
こいつの主な武器は弓。強力な精霊を使い、いつも冷静な判断をすることから、
パーティー内ではエッケハルトに次ぐ主戦力となっている。
エフェリナはフィロメルナをキッと睨みつける。
「貴女、ハロルドの凄さを何も分かっていないでしょう。それなのによくそんな
ことが言えるわね。彼のおかげで、強力なモンスターとも戦えていると言っても過言ではないのに…」
「はぁ?…ふふっ、コイツが凄いですって?!エフェリナ、ハロルドに洗脳でもされた?!まぁ、コイツにそんなことできるはずもないでしょうけど!!あはははは!」
「貴女ね……ッ」
「エフェリナ、もういい。俺のために怒ってくれてありがとうな」
俺は、フィロメルナの元へ行こうとして立ち上がったエフェリナを止めた。
エフェリナは、「でも…」と言ったが、その後は何も言わずに座った。
俺は立ち上がり、フィロメルナへ顔だけ向けて言う。
「ご忠告感謝する。頭の中には入れておくよ。それじゃあな」
それだけ言うと、俺は冒険者ギルドの出口へ向かった。
「おい待てよ。これだけ言われて反論なしってことは、役立たずだって認めたってことか?」
俺は、エッケハルトのその言葉を聞いて歩みを止めたが、すぐにまた歩き始めた。
後ろから、「逃げるのか」という声が聞こえたが、無視して出口へと向かう。
フィロメルナの怒鳴り声も聞こえてきたが、その声もどんどん小さくなっていく。
出口の扉の前まで着くと、俺は立ち止まり「クソッ…」と呟いたが、その声は
周りの声にかき消された。
そして俺は、冒険者ギルド、もとい勇者パーティーから出ていった。
※最初は結構シリアスな感じになります。
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