イグニスの決意
イグニス視点
決戦の時は近い、自身に貸している近い。それは絶対に相手を殺しきらないこと、
だが、それも破らざる得ない相手かもしれない。
そうしなければやられるのは自分であると、イグニスはそう思っていた。
綾瀬とは面識は奏多くはないとは言え七瀬の妹だ、止めをさしていい相手ではない。
が、それを考えていれば足下をすくわれるのは己自身だ。
己に言い聞かせるように、瞑想するイグニス……
再選の場所は結局のところグラウンドか校庭、同じ場所で遭遇も芸がないので、こうしてグラウンドにスピアを突き立ての仁王立ち。
葵も今回はそばにいる。
ならば負けるわけにはいかない。今回は手加減する気もない。
だが、それは、相手を美奈坂綾瀬を永遠に、この世界から追放すると言うことでもある。
さすがに殺しはできない。 親友の妹である。 そこは今でも変わらないが、多少は痛い目を見てもらうしかない。 その程度では済まない結果に転ぶ可能性は高い、だが、確実に殺すなどとはいえない状況なのだ。
その覚悟をしなければ、一歩も前へは進めまい。
瞑想をしながら呼吸を整えて次の戦いへと思いをはせる。
ヴァルキリア・ブリュンヒルデの力は確かに強大だが、裏を返せばあの綾瀬には本気でのコントロールはできないだろう?
ならば、彼女は使われている側ということになる。
精霊の暴走ーー別に前例がないわけではない。
数多くいたそのもの立ちは最後には自身をも滅ぼす。 綾瀬の破滅的な衝動はおそらくそれにあるだろう?
ブリュンヒルデの思惑は不明だが、ここで倒しておかなければ未来は決してない。
「全く、あの精霊も何を考えているのかしら」
そう思って覚悟を決めた上での再戦ーー相手は7割程度のスペックしか出せないと予想される。ならば、こちらにも勝機はあるのだ。
全力で掛かればという条件はつくが、出力差では明らかに相手の方が上だったからだ。
それは納得している。 だが、精霊の力がすべてを決めるわけでもない。
そんな単純な話ならば、私はトールにとっくに負けている。
だからこそ勝機はある。
「来ましたわね、遅刻ですのよ、遅いですわよ」
「お姉ちゃんこそよく逃げなかったね、クスクス、尻尾巻いて逃げると思ってたよ?えらいえらい。 今日こそ死ぬ覚悟はしてきたってことね?」
ぎりっと、奥歯を噛む、わかっている。これは挑発に過ぎない。ならば気を裂くなど無意味なやりとり。
「はじめに言っておきますわ、私はあなたを殺すことになります。
その非礼はわびさせていただきます。 覚悟を持って、全力を持って殺します!」
これは覚悟だ実際には、半死ぐらいにとどめるつもりでも、覚悟の乗っていない攻撃で、ブリュンヒルデを突破できるとは思ってはいない。もちろんレーヴァンテインも使えない。
ここから先は全力で戦う。そして、おまえは生かしては置かないという、相手へのけん制でもある。。
「フフッ、いいね、その顔追い詰められたネズミは猫を噛むって言うよね?
いいよ、確かめてあげるね。 お姉ちゃんの実力を、イグニスの本気がどの程度のものか私に見せて!?」
楽しそうに一回転、ツインテールをたなびかせながら、白いドレスには凶悪な笑みを走らせる。 楽しそうに、ただ、楽しそうに壊すだけの機械になれ果てている。
瞬間纏った怒気をはらませて一瞬での跳躍、そこからのツインダガーの一撃からの回転演舞ーーはじめから本気というわけだ。
ならば見せよう、ヴァルキリー・イグニスの本気をーー!
昨日忘れてしまったので、補填で今日公開になります。
3章はもう終わっており、四消化器終わりかけだけど、誤字脱字の編集してないのでどうしようか考え中。




