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ヴァルハラ・シンドローム  作者: 織原 直
第三章・イグニスと妹
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ブリュンヒルデ

復帰一発目としては少し少なかったので、イレギュラー更新

雪のような銀鈴の天使ヴァルキリーへと変質した少女は唄うーー私の勝ちだと。


「なんですの? その姿は」


現れた、新たなヴァルキリー・ブリュンヒルデへと問いを投げる。


 そんな存在は知らないと、そんなものはこけおどしだと。

 認められないーーエラー(悪夢)だ。



だって、さっきまで私より弱かったのに……


 イグニス程の実力差なら感じざる得ない格の違い。

それを放っている少女は誰だ?

 

 自分が凡才だと侮っていた少女だったはずーー対する私は誰よりも優れた天才でなければならない!


 何よりここで負ければすべてを失う。


『いいよ、待ってあげる。 相棒を呼び出してもいいよ? それぐらいは待ってあげるよ?』


 だが、ここには葵は連れてきてはいない。 一人で十分だと侮っていた。

 夜の学校には、静寂だけが満ちる。


 そう、これは一対一の勝負ーーそれを望んだのは私だったはず。 ならば負けるわけにはいかない。


 フレイムーー アサルトモード解放ーー


 解放される炎の鎧はより一層、赤熱して、イグニスの赤を彩る。


 己自身の必殺技ーーと呼べるものは、残念ながら今は使えない。 パートナーが必須の能力だからだ。

 

 ならばと、最高ではなく、最良の一手を選択する。

 炎の刺突ーーすべてを穿つ紅い刺突。


 全身にまとわせた炎の濁流を乗せた一撃ーー 例え受けたところで、槍を止められても、炎の濁流が相手を焦がすーーそれは必殺ではなく、必勝の一撃。


 狙い穿つのは白い天使ーー嗤うセラフはそれでも直余裕だった。


「これがわたくしに放てる。現状では最高の一撃、燃え尽きろー!」


 相対するは天使はやはり、銀鈴の歌声を纏った、無数の銀線で迎撃する。


 そのすべてが狙いたがわず着弾する。しかしーーその瞬間を狙ってこその一撃!


 だが、それはシルフィードの風の刃ではなく。


 形容しがたい荘厳なる刃――ヴァルキリーの頂点に立つ存在。


『無駄だよ。ブリュンヒルデは最強の戦乙女ヴァルキリア、いくらスペック(才能)が高かろうと、あなた如きでは勝てない!

 潔く死んで…… 天才さん』


馬鹿な、とイグニスは思う。 いかなるヴァルキリアにも負けたことがない無敗のヴァルキリー、それがイグニスという存在であり誇りだった。

手加減していた七瀬相手とは違う本気での一撃を、彼女はたやすく、いなしていく。



 炎の濁流を受け無傷ではない少女は嗤う。

 その代償を払うように、彼女は邪悪に微笑む。


 その瞬間白い少女が堕天する。 落ちる落ちる落ちる――力を得た代償を、その対価を。


 漆黒のカラスへと染まった白かった少女は言う。

 イグニス――その力を貰うね。

最近調子が良くて、4章も順調に進んでるため、多少速度を速めてもいいかなあと思った?

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