表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァルハラ・シンドローム  作者: 織原 直
第二章 ヴァルキリー狩り襲来編
65/94

結末


 

『仕方がありませんね。 貴女には見せたくありませんでしたが…… 突貫します!』


 水の中からローブ姿の人影が飛び出してくる。


 瞬時に反応して、風の弾丸を浴びせかけた。 ――攻めるなら今!?

 ――跳躍して距離を詰めてる――ゼロ距離からのフルオート射撃だ――外さない!?


 がつかんだローブと突き刺さる弾丸に手応えなかった。

 おとりだ、中身は水柱? 跳ね返る水しぶきに視界を塞がれたところで横からの衝撃。


 ――捕らえられたのはこっち!?


 覆い被さってくる。人影とともに水面に着水する。同時にポイントを相手に向ける――


 相手の額をポイントしたところで視界が完全に戻った。

 ローブが脱げて見えたい手の顔は――見覚えあるものだった――!


 相手の顔は知りすぎている。

 


 だってそれは、毎日鏡越しに毎日見る私の顔だった。変身前のそれは気に入らないはが、やっぱりどこか違って、私にはない愛嬌を感じた。 引き金にかけた指が震える。


 眼が合った、交差する視線はしかし、相手の笑顔で遮られた。


 私? が嗤ったと、思った瞬間注意がそちらに向き、その瞬間動揺してポイントがずれる。

 発射した弾丸は、彼女の頬をかすっただけだった。 血液が落ちる。

 私の顔から血液が落ちて私の顔をぬらした。動揺した。

その瞬間、腹部に熱い痛みが走った。


 しまった。 動揺しすぎた。 腹部に突き刺さるダガー。 これは致命傷かもしれない。

 急速に意識が遠のいていく。

 私は痛みで意識を手放したらしい――だって、こんなの反則――!?




 目を覚ましたノームは自身の状態を確認する。

 

シルフィードに切り裂かれたときは死んだとおもっものだが、なんとか生きている。

が、傷は深い――さっさとログアウトしないと危険だと言えた。


 だが彼女には見届けなければならない者がいる。 最近できた友達――親友だった。

 学校では高嶺の花だった。

 見ているだけの存在のはずだったことに彼女は、小躍りした。

 偶然オフで会う約束を取り付けた。


 相手の名前は美奈坂七瀬――3歳上の先輩で高等部に在籍している。

 同じ系列の学校の先輩だった。


『小夜? それが貴女の名前なの?』


 そうメールが返ってきたきたのは3ヶ月も前で、オフ会前の頃だった。

 彼女は自分と同じで学校で友人が少ないらしい。

 ただ、顔は美形で、中等部でもその名前は通っていた。

 美形でスタイルもいい。 落ち着いたたたずまいを感じさせる女性だった。

 彼女に憧れる後輩は割と多い。


 ただ、近寄りがたい雰囲気を感じさせる先輩ではあったため、本人でも知らない隠れファンが、チラホラといるらしい?


 『私の顔はかわいくはないよ――』


 それが彼女の口癖ではあったのだが、美形に生まれている時点でかわいくなくても勝ち組ではないかと最初こそ思った者だった。


 学校では先輩である彼女は、高嶺の花である。

 オフであって話がしてみたい――彼女の妹美奈坂綾瀬が、同じクラスで通っていることは割と有名だった。 何せ彼女はかわいい上に才女、交友関係も、何もかも自分とは比べものにならなかった。


  一度――


 「貴女のお姉さん高等部に通ってるよね、合わせてもらえないかな?」

途端に、綾瀬さんは不機嫌な顔になり、友好的だった態度を崩した。

 

敵意のこもった視線で彼女は――


「たまにいるのよね、貴女みたいな立場をわきまえないガキが――!」


 普段かぶっているのは仮面ですというようにその双眸から敵意を発してこちらを睨み付ける。

 敵意のこもった気迫に押されて廊下まで後退すると、彼女は逃がさないと言わんばかりに、壁に片腕をつっかけて言った。


 いわゆる壁ドン状態である。


『二度と消えないトラウマ味わってみたい? それともお姉ちゃんに二度と近寄らないって誓う?』


 殺意と言い換えてもいいような感情と近い顔で、私は失神しそうになりながら首を左右に振った。

 誓わない――という合図だ。 最後の最後に私からできる抵抗、

後のことを考えてのことではない、反射的な恐怖心が行動に出ただけだった。


 姉も美形なら妹も美形だったな。恐怖の中でそんなことを思いながら、かわいい系で知られる綾瀬を眺めた。


『そう、誓わないんだ貴女は――』


 クスクスと彼女が嗤った。その仕草がすごく怖い。 美形は怒ると迫力があると言うが、まさしくそれだった。

 彼女は身体を離すと、先程までの怒気をなんかさせて、いつもの綾瀬さんにもどると


「えへへー、お姉ちゃんああみえて、人嫌いだからね。 貴女なんかじゃ相手してもらえないと思うんだけどなー? 綾瀬、嫌われたくないから教えてあげる。


 そう言って紙に文字を書くとこちらへと放った。


 反射的に受け取ったそれを、つまらなさそうに見ながら、彼女は――


「それ、お姉ちゃんのメールアドレス。大切にしてね?」


 と、かわいらしくウインクしながら、言ったのだった。

 唖然とする私をよそに、彼女はヒラヒラと手を振ると、もう興味はないと去って行った。


 怖かった。 腰が抜けたことに気づいたのは、その後のことだった(直すのに苦労した)


 三月小夜、それが私の名前だった。 その名前で即座にメールした……


いやー、怒涛の急展開ってことで? 許してほしいかな?

しばらく七瀬視点はお休みになります。

 ってことでイグニスさんが頑張ってくれますよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ