戦いの後で
「それで、ヴァルキリー狩りってのはどういう人なのよ」
と丁度看病に来ていた葵に聞いてみた。
「はあ、アンタが戦ったのってヴァリキリー狩りじゃないの? 一体誰と戦ってるんだおまえは?」
とツッコミを入れられてしまった。 確かに情報不足で戦闘したのは、先走ったかもしれない、けれども向こうから戦いを挑まれては戦うほかなかった気がする。
いや、逃げるのは逃げられたけれども……
「いや、戦いを挑まれたからなんとなく……」
「なんとなくで、戦ってる場合じゃないでしょ?
いい、七瀬、七瀬はまだヴァルキリー戦において最も重要な、
精霊の力が使えないのよ。 それでなくても、気軽に戦っていい状況じゃないってのに――
まあ、確かに逃げられない状況だったならしょうがないけどね
さすがにナイトの坂崎でさえ今はコントロールできてるっていうのにね」
まあ、相手のスピード的に余裕で離脱できました。とかはやぶ蛇なので言わない。
「まあ、そんな危険な相手じゃなかったよ。 どう考えても本気じゃなかったし?」
「うーん、七瀬が言うならそうなんだろうね?」
葵はいまだに何か疑問符を浮かべていたけど、私は気にしないことにする。
ヴァルキリー狩りというけど、ノームを名乗る女はそう凶悪そうな感じには見えなかった。 純粋に私と戦いたいといった方向性を感じた。
彼女自身ヴァルキリー狩りを警戒してるって言ってたしね。
『ねえ、シルフどうおもう?』
『さてな、相手の思惑はどうあれ、ノームに明らかに殺意はなかった。
そこから導き出せる答えは、彼女はヴァルキリー狩りとやら、ではないのだろうよ?
4代元素の精霊は、風、火、土、水が存在するが、属性精霊同士は、同じ4台精霊の気配にも敏感だ。 私にはノームにあった、感応能力はないが、それでも同族故に彼女が土の精霊であることは感じ取れた。 嘘は言ってないと思えるな。
まあ、だからと言って彼女が100%敵ではない保証もないわけだが?』
相変わらず説明が長いうえに結局、結論は丸投げかあ。
こいつちょっとはどうにかならないのかしら? そういえば、コイツ男の精霊の癖に、シルフィードってなまえなんか気になってたのよね。
『ねえ、アンタ改名するきはないの? 女の名前っていやじゃない? そのうち切れて殴りかかってきたりしない?』
後半部分はただの冗談である。
『私は精霊シルフィードを、の役割(型番)を与えられた。
プログラム体だ。 違和感があろうと、その役割を放棄するわけにはいかないのでね。
男性の性格なのは、単に、君の求める人格が父親やナビゲーターといったものだからだろう?
その年でファザコンとかどうかと思うがね。
まあ、父親がいないのであれば、そういう憧憬を抱くことにも納得するが?
ここで一つの可能性を上げておけば、ヴァルキリーが保持できる精霊は一人につき一人というわけではない。 仮に2人の精霊を使役できるようになればコントロールは難しいが強力な武器になる。
もし、あらたな精霊を手に入れることがあれば、二人の精霊は溶け合うことになるだろう? その場合、相手が女性であれば、私もまた女性化する可能性がある。
そういったこともあって、ヴァルキリアの精霊は性別を持たない。
もし君が女性の精霊を使役すれば、私がもともと女性の精霊を基にした存在だということもあり、人格が反転する可能性もある。
つまり、そういったこともあるので、精霊の製造ナンバー(コードネーム)は曖昧になっているのだよ。
まあ、万に一つの確率の話だがね』
『じゃあ、あのノームっていうヴァルキリーはどう思う?
本気ではなかったとはいえ、精霊の力が使えない私でも対等に戦えてた。
もしかしてあいつ弱いの?』
『それは単純に相性の問題だろう。 ノームは一撃にかける鈍足パワータイプだ。
君は速度で圧倒的に上回っている以上、攻撃に当たることがない。
だからといって相手が弱いわけでもなく、奥の手の一つや二つ持っているだろう。
油断しないことだと思うがね?
だが、一つ言えることは君の素質はかなり高いといえるだろう。
イグニスと比べればノームが弱いのは確かで、君は素質だけならイグニスを上回っているといってもいい。
まだ練度やら何やらが足を引っ張っているようだがね。
ノームが平均的なヴァルキリーであることは確かだ。 だからといって、油断していい相手ではない』
私は素質が高いといわれて、かなり浮かれたのだった。
説明パートです。
まあ、色々考えてますが、どのぐらい実現するやら。
来週は水曜も更新したいいかな? 体調良くなったのですが、ストックはあまりない状態でして……




