表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァルハラ・シンドローム  作者: 織原 直
ヴァルキリー覚醒編
32/94

切り札

今日からペースアップです。

手榴弾を迎撃するために火球を作り出していたイグニスは、炎を纏っていない。 ゆえに攻撃するならば今が絶好チャンス――発射された弾丸はまっすぐにイグニスへと向かい、銃弾がヒットする。


「きゃあああ――っ! やったわね! やりましたわね、もう、もう許しませんわ、殺す! 殺しますわ!」


「ざまあみろ、馬鹿お嬢様! 追いつけるものならば、追いついてみなさいよね。 成金」


「キッ――! その減らず口、二度と聞けなくしてやりますとも、ええ、後悔するがよろしいわ。 二度と消えない屈辱をその愚かな頭に刻み込んで差し上げますとも!」


 鬼の形相で追跡を再開するイグニス、すでに冷静な判断ができているとは思えない。

 今ならば罠に気づく可能性は低い。 窓から飛び出して屋根の上へと飛び移る。

 建物の中央付近まで跳躍を繰り返す。 屋敷の頂上ここで決着をつけてやる。

 屋根には煙突が何本か生えているのでその後ろ隠れ息を殺す。


 イグニスはかなり遅れているらしく、すぐには姿を現さない。 その間に視覚を坂崎へと切り替える、公園の高台からこちらを暗視スコープ越しに除いているのが分かる。


 伏射姿勢で待ち構えているようだ。 よし、準備万端。 視点を元に戻しイグニスが現れるのを待つ。


 程なくしてイグニスが姿を現す。 結構ダメージを与えた気がするけど、一見して傷らしい傷は見当たらない。 その圧倒的な耐久力はあの鎧によるものか、それとも速さと引き替えに彼女が持つ特性か、どちらにしても頑丈さは私よりも遙かに上だ。


 イグニスは屋上で足を止め、私を捜している。 足音が聞こえない。 闇雲に動かず視線だけをさまよわせているのだろう。


 できればそのまま行き過ぎたところを後ろから……といきたかったが、この辺りに隠れていることは読まれているらしい。


 たぶん聴覚を強化して突き止めたのだろうが、あんな目にあったのだから後遺症とかで聞こえなくなるとか、聴覚増幅を躊躇するとかしてほしいぐらいだ。


 しかし、だいたいの大まかな位置までしかつかめていないらしく、どの煙突に隠れているかまでは分からないようで、それが救いだ。


 まともに戦っても結果は見えている、勝機は今をおいて他になし、このまま隠れていれば坂崎が狙撃してくれるはず。


 大口径のアンチマテリアルライフルの狙撃を受ければ、いかにイグニスであろうとただではすまないはず、ダメージを受けて倒れたところを押さえつけて、弾丸をぶち込んでやる!


「臆病風に吹かれたのですの? 隠れていないで出ていらしゃい。 出てこないのなら煙突ごと消し炭に変えますわよ! よろしくて?」


 そう宣言するイグニス。 火球を作り出す時に発生する炎が渦巻くの音が聞こえてくる。

 どの煙突を狙うつもりなのか知らないが、運が悪いと一発目で消し炭になりかねない。


『ちょっと坂崎早くしなさいよ! こっちは結構まずい状況なんですけど』


『分かってますよ、今撃ちます信じてください。 僕は外さない』

 刹那、宣言通りの轟音――が夜空に向けて響き渡る。


 飛び散る鮮血とか金属のひしゃげる音。


床を塗らす鮮血、それが月の光を受けて怪しくきらめく。

 イグニスを捕らえたのはまさしく必殺の一撃だった――!

 

さらにペースアップ、一日一話(文章量自体は落としてます)更新していきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ