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2

俺達は結局部屋に戻ると俺は直ぐ様ソファへと飛び乗った。


四肢を投げ出しぐてりと脱力する。


「あー…志摩大丈夫かな」


「さぁな」


ぐてりとする俺とは反対に哲平はけろりとしながらリビングにいる。


(………………。)


哲平のたまにこういう物怖じしない所を見るとこいつすげーなってなる。

俺は首だけおこして哲平を見ていたがじきにそれも疲れた、と止めた。


「哲平本当、怪我してなーい?」

「おー、してねぇ。小豆」


リビングから戻ってきた哲平はマグカップを二つもってやってきた。


「あ、やった。コーヒー」


パチン、と携帯を閉じて起き上がり、哲平から受け取る。


「んべ…哲平苦いよー」


顔をしかめる俺に逆に哲平は顔をしかめた。


「は?砂糖二本入れてるし牛乳もいれてんぞ?」


「え、嘘」


哲平は口おかしくなってんじゃねぇの、と言いかけてふとごみ箱に目がついた。


(…あれじゃ甘いもんも甘く感じねぇか…。)


たんまりとごみ箱に詰まれたミルク味の飴玉のゴミ。


「飴舐めすぎ」


「…これからはガムにしようか」


「ガムの食い過ぎは胃が荒れんぞ」


「まじでか」


何が可笑しいのかヘラヘラと笑う小豆に哲平は呆れ顔でため息をついた。


こいつの将来の体型が心配すぎる。


「んじゃ、俺今日は部屋閉じこもるね」


「…は…?」


唐突の宣言に哲平は怪訝な顔をする。俺はカップと課題を持ち立ち上がった。


確かに志摩は気にかかるが…。


「ほら課題プリントあるし?あぁ夕飯勝手に食っててよ、俺いらないからさ」


「はぁ!?」


つい語調がきつくなる哲平にニマリと笑った俺は、「ダイエット」といって部屋に入り、鍵を閉めた。


「……女子高生か奴は」


呆然としている哲平は吹き出しているとは露知らず、俺は課題に取り組んだ。




暗い夜。

夜だから暗いのは当たり前だし、暗いのだから夜なのは当たり前だ。結局何が言いたいのかってのは、今は夜だって事。


「おい、これ…糞猫に伝えなくていいのかよ」


「頼まれてないっスからねぇ」


画面に映る女のような容姿をした生徒達の密会。


音声は確実に、こう呟いていた。


――明日決行だ…。


「隠してた事ばれたらあいつ怒るぞ」


「はは、面白い事言うっスね蜘蛛君。猫君に怒られるいわれはないっスよ」


依頼されなければ情報は伝えない。

そういえば蜘蛛はとても嫌そうに顔をしかめた。


「明日が楽しみっスねぇ」


さて。

賭けに勝つのはどちらかな…?

拙いゲームにこそ価値はある。

問屋は恐ろしい程整った顔で綺麗に笑った。


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