第4話 博麗の巫女
ついに東方キャラが登場します。
注意…キャラ崩壊や性格変換の可能性あり
2023年8月15日 am8:06 旗艦‘‘いずも’’甲板 (古賀海将視点)
「これはこれは報道の方でしたか。いやはや、最初にやって来るのは公安の関係者か行政担当者だと思っていたもので。申し訳ないのですが文さん、少し質問させてもらってよろしいですか」
どうやって空を飛んでいるのか? とか、ここはどこなのか? そして背中から生えている黒い翼は本物なのか? など挙げればきりがないほど疑問があるが、もし彼女が相手国の要人だった時でも大丈夫なよう失礼の無い対応を心掛けることにした。
「ええ、構いませんよ」
質問したくてたまらない様子の報道関係者に逆に質問すると良い顔はされないのだが、彼女は意外にも丁寧に承諾した。
「実は聞きたいことが山ほどあるのですが、取り敢えず最初の質問をします。あなたは日本人でよろしいのでしょうか」
様々な疑問があったが口をついて出たのはこの質問だった。彼女が甲板に降り立った時ダメもとで日本語を使ってあいさつをしてみたのだが、以外にも相手は流ちょうな日本語を使い返答してきた。そう言った事情もあってもしかしたらと思ったのだ。
「えぇまあ日本人であっていると思います」
(ではここは日本国内なのか)
かすかな希望にすがるように次の質問をしてみた。
「次の質問です。先程あなたは幻想郷の新聞記者だと言いましたがここは日本であっていますか」
この質問に彼女は悩んだようなそぶりを見せ。
「ここは、皆さんの住んでいた日本という場所であり日本ではないところです」
と切り返してきた。
正直、訳が分からない。日本であって日本じゃない?
日本には自治区なんてないぞ。考えれば考えるほど分からなくなってきたので、更に突っ込んだ質問してみることにした。
「すいません。よく意味が分からないのですが」
「私もここの成り立ちについては分かってないので……後で博麗の巫女に聞いてみてください」
彼女は苦笑いしつつ回答した。
そして俺は唐突に出現した新たな単語について説名を求めた。
「博麗の巫女? 神社の巫女がどうして日本の生い立ちを?」
「日本というのは外の世界の事ですよね? 私が言ったのは幻想郷というこの世界の歴史についてです。因みに博麗の巫女というのは、幻想郷に迷いこんだ外来人を送り返したり異変を解決したりすることを生業にしていて幻想郷と外の世界を隔てる結界の維持をしている人物です。それと、外来人と言うのは幻想郷の外から来た人のことですよ」
外来人? 外国人の間違いじゃなくてか?
やはりここは日本国内ではなさそうだ。
場合によっては地球ですらないかもしれない。となるとここは天国か異世界かまたは別次元なのか……
疑問は絶えないが彼女の説明を聞く限りこれはその‘‘博麗の巫女’’という人物に会ってみないと本土や太平洋に戻れなさそうだな。
まぁ現状では残念なことに戻れる可能性の方が低いが……
「では本当に申し訳ないのですがその博麗の巫女という方をここに連れてきてはもらえないでしょうか? それとできれば幻想郷の地図データも」
彼女は困ったような顔をしてから
「それくらいならたぶん大丈夫です」
と返した。
そこまで伝えて非常に重要なことを聞き忘れていたことに気付いた。
「それともう一つ、衛星電話と幻想郷政府首脳部との窓口が欲しいのです」
「あやや……残念だけど衛星電話なんて聞いたこともないし……それに、幻想郷には政府というのがないんですよね」
この発言には驚かされた。
衛星電話がないのは今までの話を聞く中で、半分以上諦めていたから衝撃が少なかった。
だが政府が存在しない? それでは医療や安全保障、治安維持等の行政サービスはどうなっているのだろうか? 疑問は増えるばかりだ。
「取り敢えず地図と霊夢さんを連れてくるので、ちょっと待っていてくださいね。すぐ戻ります」
そう言って彼女は固定翼機に迫る速度で‘‘いずも’’の甲板から飛び立っていった。
私の隣に立ち一部始終を見ていた秋津一佐は何を考えているのだろうか?
気になったので質問してみた。
「君は今、目の前で起きたことを現実だと思えるかね」
「残念ながら私には一生かかってもこれが現実だと理解できそうにありません」
「同感だ」
そんな会話をしつつ数分間頬けていると、これまたすごい勢いで甲板に彼女が降り立った。
「お待たせしました。これが幻想郷の地図です。探すの大変だったんですよ」
手渡された地図を立ち入り検査隊員に渡しながら古賀司令は彼女に質問した。
「地図は確かに受けとりました。感謝いたします。ところで二つ目の要望の方はどうなりましたか」
「霊夢さんならそこにいるじゃないですか」
彼女が指を差した方向を見るとそこには射命丸と同じ年齢くらいの奇抜なデザインの巫女服を着た少女がうつ伏せに倒れていた。着艦(?)に失敗したのだろうか?
伊藤一佐が助け起こそうと一歩踏み出したとき、少女はおもむろに起き上がり文さんに詰め寄った。
「文あんたいったい何なのよ。人がお茶飲んでるときにいきなり来てたと思えば首根っこ掴んであの速さで飛ぶってどういう神経してるわけ!!」
(おいおい許可取ってから連れて来いよ……)
と内心で巫女服の少女に同情しつつ罵声を笑顔でかわしていくマスコミの恐ろしさに恐怖していた。
文さんへの説教が落ち着いたのを見計らい巫女服を着た少女に声をかけた。
「初めまして、私は陸海空統合任務部隊の司令官を務めています。日本国海上自衛隊 古賀峯一海将です。名前は古賀峯一ですので古賀でも峯一でもお好きな方でお呼びください」
「私は博麗霊夢博麗神社の巫女をしているわ。よろしくね」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
「ところで古賀さんでいいんだっけ、あなた達は外来人であってるのよね」
「はぁ、どうも文さんの話を聞く限りそうらしいですね」
「そう……じゃあ取り敢えず幻想郷について簡単な説明をさせてもらうわ」
「お願いします」
「幻想郷っていうのはあなた達が住んでいた外の世界とは結界で分けられている場所よ」
「では、この幻想郷を出て元の世界に戻ることは出来ないのですか?」
「いや、出来ないことは無いわ。現に私も外来人を送り返せるんだけど今回は人数が多すぎるから私の手には負えないわ。八雲紫って言う妖怪も居るけどあいつは向こうから用がないと現れないのよ。ただ紫がその気になれば多分帰れるわ」
帰る希望が見つかった俺は思わず安堵の溜め息をついていた。夢ならば今すぐ覚めてしまいたい。
「そうそう、あなた達しばらくここに居るつもりなら紅魔館の吸血鬼に挨拶した方が良いわよ」
そんな大事な提案を霊夢は思い出したかのように、サラリと話した。
(紅魔館? 幻想郷における外務省のようなものか? でもここには政府はないし……何より彼女はさっき吸血鬼って言ったのか? おいおい冗談じゃないぞ)
我々が帰ることができるのはまだまだ先になりそうだった。
用例解説
幻想郷…妖怪や人間、神等か共存している土地。博麗大結界と言う結界で外の世界と分けられている。時々現代から忘れ去られた物が幻想郷に流れ着くことがある
博麗霊夢…博麗神社の巫女をしており、幻想郷内で〝異変〟と呼ばれる問題を起こした妖怪を退治するのが仕事。
人間だが〝空を飛ぶ程度の能力〟を有するため飛ぶことができる。賽銭箱にお金が入ることはあまり無いため、神社は常にと言って良いほど金欠である。
射命丸文…幻想郷の新聞記者。妖怪の山に住んでおり、他の鴉天狗と新聞のできを競っている。また、〝風を操る程度の能力〟を有しており幻想郷一速い妖怪である。