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第48話 駐屯地祭

2023年10月15日am8:00 妖怪の山 河童の工房(高橋三佐視点)


「いやぁ貴女達、河童の技術力には本当に驚かされます」


「まだまだ人間には後れを取る気はないよ。ただ君たちの持ち込んだ『誘導弾』という武器や、君をここに運んできた『ヘリコプター』なんかの航空機に関しては私達は考えたこともなかったからなぁ」


「そこなんですが、これほどの科学力を持っているのになぜ武器や航空機を造ろうと思わなかったんですか?」


にとりは少々考え込むようなしぐさをしてから結論を出した


「それは私達がそれらに頼る必要がなかったからだと思うよ。私達は銃がなくても弾幕を使うことが出来るし、航空機なんかに関しては自分で飛べるからね」


「成る程、そういうことですか」


「そういうことだね。そのせいで私達はこういう技術には疎いんだ。君のサポートには期待しているよ、高橋さん」


「任せてください、そのために私が来たんですから。手始めに我々の武器を見てもらわないといけないでしょうから今回の駐屯地祭では特等席を用意しました」


「それはありがたいな。私達としても君たちの武器がどのように使われるか見ておきたいからね」


「それはよかった。間もなく迎えの航空機が着ます。準備を」


二人が進み始めたのとオスプレイが爆音を響かせながら着陸態勢に入ったのはほぼ同時だった













2023年10月15日am8:55 幻想駐屯地 正門


「班長、開門5分前です」


若い二士が時計を見ながら時間を伝えてくる


「よし、事前の計画通りに進めろ。検問所へいつでも応援を回せるようにしておけ」


「了解しました」


正面には人妖混じった様々な種族が開門を心待ちにしており対応を誤ればすぐ後ろに開設した検問所に危険が及ぶ可能性もある

イベントを控えた大衆と言うのは雰囲気に呑まれやすい

暴動だけは絶対に起こしてはいけないのだ


「何事もなく終わればいいが…」















2023年10月15日am9:00  幻想駐屯地 管制塔


「連隊長、時間となりましたので開門いたしました。現在は目立ったトラブルもなく順調に進行中だそうです」


「よし、わかった。VIPはどうなってる」


「VIPは既に海自の航空機によってこちらに向かっております。こちらには5分ほどで到着するとの事です」


「よし、一般客をVIPに近づけるなよ」


「了解しました。警備に万全を尽くします」


そう連絡幕僚は伝えたが警備計画を知っている伊藤としては心配な点はほぼ無いとみていた

到着直後のVIPの警備には何かと使いやすい木島小隊長率いる第2小隊を当てているが、これは表向きの話で実際は特戦群が狙撃などで護衛するというかたちをとっている


そもそもVIPは幻想郷での有力者ばかりだから彼女達自身も相当に強いのだ

それも前回の賊レベルの襲撃ならば護衛なしに退けてしまうほどに


『ボルト01より紅魔タワー。着陸許可を求む』


「紅魔タワーよりボルト01。着陸を許可する、使用滑走路ランウェイ01」


『ボルト01了解。ランウェイ01に着陸する』


「管制官、ボルト01はVIPを乗せた機体か?」


「そうです。あの機体にVIP全員が登場しています」


管制官の説明と同時にボルト01こと、VIPを乗せたオスプレイが滑走路に侵入してきた


「着いたか…全て予定通りだな」


「はい、現在は各方面でも目立った動きは見られませんし入場ゲートの混雑についても想定内です」


「わかった。VIPを迎えに行ってくる。管制は頼んだぞ」


「了解しました」



















2023年10月15日am9:05 幻想駐屯地 第一滑走路 ボルト01機内(高橋三佐視点)


「えー皆さん、到着しましたのでこれより連隊長の元にお連れします。自分に続いてください」


オスプレイは妖怪の山だけにとどまらず各地で要人を回収して回ったので、今では例の吸血鬼姉妹などを始めとしたVIPでいっぱいである


「もう着いたのかい?いやー最初にこの『ヘリコプター』を見たときは本当に飛ぶのかと驚いたけど、こんなに早く飛べるとは...人間の技術力も侮れないね」


そうこう言っているうちにオスプレイの後部ドアが開いた

話しが長続きしそうな雰囲気を察してパイロットが気を使ったのだろう。日程が分単位で決まっているこちらとしては有難い配慮であった


「さぁ行きましょう」


VIPの先頭に立って機内からでる

途端にオスプレイのダウンウォッシュに晒されるが気にせずVIPを機外に連れ出す

機外に出れば事前に待機していた例の第2小隊の隊員に管制塔まで案内される


「伊藤一佐がお待ちですのでこちらへ」


八雲紫やレミリア スカーレットなどの幻想郷の主たるメンバーが隊員達に続いて管制塔のなかに入っていく


「高橋三佐、お客さんのお相手ご苦労様です」


良く知った声が聞こえたのはVIPをオスプレイから降ろしきり、管制塔に向かおうとした時だった


「これは木島三尉、お久しぶりです。それにしてもあなたの部隊は随分と便利扱いされてますね」


「それだけ優秀だってことにしてください」


「わかりました。それにしても広報の仕事はどうなったんです?」


「あーまぁ、これは副業みたいなものでそっちが本業なんですけどね」


「本当に便利ですね。今度は試作武器の試験に駆り出そうかな」


「丁重にお断りします。おっと時間ですので自分はこれで」


「ご苦労様」


俺は三尉が駆け足で部下のもとに向かっていく姿を少しの間眺めていた







そろそろ部活の大会やらテストやらがやってくる時期となりました。

そういうわけで小説の更新が非常に難しくなってきたので5月の投稿はこれが最後になりそうです。

次の投稿は恐らく6月中旬頃になりそうなのであらかじめご了承下さい。

これからも『幻想自衛隊』を宜しくお願いします(>_<)

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