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第47話 幻想郷の秘密

2023年10月2日pm3:30 稗田邸


「つまりあなた方、自衛隊は日本の軍隊で現在の年号は平成、政府や天皇は京の都ではなくお江戸にいてそこで政を行っているんですね」


「はい、まぁ大体その認識で結構です」


憲法解釈として自衛隊は軍隊でないことになっているし日本国憲法下では主権は天皇でなく国民に属することになっている

だが、そんなややこしいことを説明しても理解しづらいだろうし何より面倒くさい


「わかりました。しかし、一つ気になることがあるのですが」


「なんでしょう?」


「徳川幕府はどうなったのですか?天皇がお江戸入りしたということは薩長藩閥に敗れたという事でしょうか」


「へ!?」


「…何かおかしいこと言いましたか?」


彼女は幕末の歴史を知っているのか?


「いえ、徳川幕府は薩長藩閥に敗れ明治政府が樹立、その後日本は多くの近代的政策を打ち出し瞬く間に近代化し中国・ロシアとの戦争にも勝利、国は順調に発展しましたが1941年に米英をはじめとする連合国と戦争状態に突入し1945年に敗戦し我が国は無条件降伏。その後わずか数十年で経済大国となり今に至ります」


「日本は三度も外国と戦争をしたんですか?それは記録できていませんでした」


「ということは、幻想郷はもともと日本であり結界によって分離したのは江戸時代後期から明治時代初期にかけての可能性が非常に高いということですか」


「わかりませんが、我々が保有する外の世界の資料はこの時代に途絶えているということです」


「成る程…これだけ正確な資料が残っていれば否定できませんね。にわかに信じがたいですが貴方達と我々は同じルーツを持った同胞ということになります」


「それについてはこちらも把握しています。しかし、数百年の間にこれほどまでに文明レベルが離れていようとは思いもしませんでした」


「それはお互い様ですよ。我々もここに来た当初は驚いたものです」


「であれば、これからは互いに寄り添い理解していくことが求められていますね」


「その通りです。我々はそのための努力を惜しまないつもりです」


「価値観を共有できて非常にうれしく思います。早速なのですが貴方達が近々駐屯地祭なるものを開催するというのを小耳に挟んだのですがどういった催しなのですか?」


「さすが情報通ですね。趣旨としては我々自衛隊の広報活動を目的としてはいますが、内容としては一般的な祭りと変わりません。ただ現代の技術の結晶たる兵器の展示や食品などの試食もありますよ」


「それは面白そうですね!ぜひ行きたいです」


「里内にある駐在所に行けば自衛隊の広報官がいますから、わからないことがあったらいつでもいらして下さい。では我々はそろそろおいとまいたします」


「気を付けてくださいね。それと……」


「どうかしましたか?」


阿求は数秒間、俯き押し黙った後、意を決したように目を見て話し始めた


「過去の資料を見てもこれだけの規模の幻想入りが偶然行われたと考えるのは不自然なんです。それにあのスキマ妖怪がこれだけの不安定要素を排除しなかったことにも疑問が残ります。貴方達の存在は幻想郷のバランスを崩しかねないほど危険なのです。それを排除しないということは何かしらの思惑があるような気がして…」


「阿求さん、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。ただ一つだけ言っておきたいのは我々はただ良いように使われる気はありません。たとえ相手が誰であろうと我々は自らとあなた方、日本国民の平和と安全を守るために戦う所存です。そこにどんな思惑があろうともこれだけは変わりません」


「……わかりました。貴方達がそこまで大きな覚悟を持っているならば私達も止めません。貴方達の力が正しい戦いに使われることを祈っています」


木島は阿求の言葉に最敬礼で答えた


















2023年10月14日am10:00  (幻想駐屯地作戦司令部 2階会議室)


「駐屯地祭前日の忙しい時間に諸君らを召集して申し訳ないと思うが、最終確認はやらねばならないのでね。各自急いでるだろうから手短に済ますぞ。各班長は進捗状況を報告せよ」


「警備に関しては全隊員にシフトや巡回地域のほか、問題発生時の対処法なども徹底して説明したため大丈夫だと思われます」


「訓練展示に関しては予行演習を繰り返し行っており、明日に向けて万全の態勢が整っています」


「広報に関しては人里の里長以下、多くの人間に説明ができたと考えております。また明日の自衛隊に関する説明会に向けての準備もほぼ完了しており海自や空自の広報班とも打合せが済んでいる状況です」


「最後に観閲行進についてですが、これは各部隊と調整が済んでおり万全の態勢で当日を迎えることが出来ると思われます」


「わかった、それで充分だ。俺は当日は要人とのあいさつでほとんどここにはいないだろうから、何かあれば司令部から無線で連絡してくれ」


「了解しました」


「よし、では解散」




幻想郷と日本の分離に関してですが、これは公式の見解ではなくあくまで二次創作ということで納得していただきたいと思います。

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