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第33話 出発

2023年9月14日am9:00    幻想駐屯地滑走路(木島三尉視点)


「オスプレイに乗るのは久しぶりだな」


「三尉は特戦群にいたときに乗ったことがあったんでしたっけ?」


山本一曹が律義に相打ちを打ってくる


「米海兵隊のだけどな」


「関東の方はいつも使ってるんですかね」


「たぶんな。向こうは以前に比べて脅威の度合いが増してきているからな」


「どうせ装備を更新するなら一斉にやってほしいんですがね」


「予算の問題で無理だろ」


たまに撃つ弾がないのが玉に傷と呼ばれるくらい予算不足の自衛隊には逆立ちしたって無理だ


「そういえば我々が今回護衛するのは施設科小隊でしたっけ」


「まぁ中隊を無理くり小隊規模に分けた即席小隊だけどな」


「この施設科中隊は先日、輸送機で転移してきたんでしたよね」


「転移か…うまい言い方するな。部隊の規模に関してはその通りだ。今回は人手不足を鑑みて必要最低限の人数にしただけだからな」


こんな会話をしつつ装備の点検をしていたのだが…俺の直属の上司がこっちに走ってくるのを見て作業を中断した


「どうしましたか?中隊長。そういえば交渉役のSITの連中が遅れているみたいなんで準備を急がせるように伝えてくれませんかね?」


「いやぁそれがな、SITは今回行かないことになった」


「・・・・・・は?」


「人里の治安維持のために駐在してるSIT所属の警官から”いずも”に設置されている本部に応援要請を入れてきたらしくてな」


「また賊ですか?あそこの襲撃率は異常ですね」


「いや、今回は違うらしい」


「・・・じゃあ何で応援要請なんか来たんです?」


「現地の商人が所有していたお守りが盗られたとからしいぞ」


「はぁ!?つまり警視庁の特殊部隊は窃盗一つで本部に支援を要請すると?」


「それがな、盗んだのは人間じゃ無いらしいんだ」


「ということは妖怪ですか?」


「惜しいな、妖精だそうだ」


「はぁ…でもそんなのに何で応援が必要なんですか?」


「なんでも犯人の妖精は魔法の森方面に逃走したらしくてな、あっち側はかなり危険な化け物が出るらしいんで応援を要請したと聞いている」


「うわ~それは災難で。それでSITの代わりに交渉するのは誰なんです?」


「お前に決まってるだろ」


「・・・何の冗談ですか」


「この状況で冗談を言う必要があるのか?」


「この俺に交渉しろと!?何を馬鹿なことを!俺の性格知ってて言ってるんですかあんたは!!」


「ああ、嫌というほど知ってるよ」


「知ってるんだったらこの人選はないでしょう!」


「仕方ないだろ!空いてる部隊がいないんだから」


「まぁこの場で文句を言ったところでどうにもならないのは分かってるんで割り切りますけど次からはよく考えて配置決めをして下さい」


「わかったよ。次からは俺も上に忠告しておくよ」


「頼みますよ、本当に!」


「はいはい」


「やっぱり信用ならん」


「三尉、わかりましたから急ぎましょう。離陸予定時間が押しています」


「ヤバい、もうそんな時間か。急ぐぞ!」












2023年9月14日am11:00    幻想郷上空  妖怪の山到着まで15分(木島三尉視点)


「というわけで塚本准尉本当に申し訳ないんですけど向こうとの交渉頼みますよ!」


「良いですけど三尉もそろそろ交渉ぐらいできるようになっていただかないと…」


「勿論わかっています。でも今回だけはそこをどうにか!」


「仕方ないですね。今回で最後ですよ」


「ありがとうございます。助かった~」


塚本准尉との会話がひと悶着ついたところを見計らって柳田陸士長が質問をしてきた


「ところで三尉、今機体の先頭で目的地まで誘導しているのって例の天狗のマスコミですか?」


「ああ、確か射命丸とか言ってたな」


「良いんですかね?彼女一人に任せっきりで?」


「成る程、ちなみに佐藤一曹、何で任せっきりだと問題になると思う?」


「はぁつまり、もし彼女が我々をハメようと考えた場合、目的地の正確な位置を知らない我々を見通しの悪い場所に誘い込んで各個撃破する。というシナリオが想定されるということですか?」


「まぁそうゆうところだ。」


「それ大丈夫なんですか」


「今の所この体制が一番うまくいっているが今後はどうなるかわからない。敢えてその質問に答えるならば大丈夫かどうかは状況次第といったところか」


結論?がでた時、丁度良くコックピットから現地到着の一報が入った


「よしお前ら、お話しは終わりだ。各員あらゆる事態を想定し警戒を厳にせよ」




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