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第11話 目標撃墜

お久しぶりです。

年末年始は色々と忙しく小説の方が手付かずでした。

そんなわけで、今回はかなり本編の内容が薄くなっております。

あらかじめご了承くださいm(__)m




2023年8月16日am11:43 〝みょうこう〟CIC


 水雷長の号令と共に撃ち出された短魚雷は、事前に設定された目標の予測針路に沿って進み続ける。


「短魚雷、自爆ポイント到達まであと10秒」


「砲雷長、CIWSの起動準備をしておけ」


 水雷士の声に艦長が素早く指示を出す。もし、作戦が失敗すれば”みょうこう”の全乗組員が危険に晒されるだけあって皆真剣だ。


「了解しました。魚雷で墜ちなかった場合は直ちに射撃します」


「自爆ポイントまで5……4……3……2……1」


「魚雷自爆っ!」
















2023年8月16日am11:43 霧の湖上空 (フランドール 視点)


「アハハ…オニイサン タチハ ツマラナカッタケド オフネハ ドノクライ オモシロイカナ」


 大船団が見えてきた。たった数人の人間ですら私を楽しませてくれたのだ。彼らの本拠地の船はどれ位楽しませてくれるのだろう? こんなに楽しいことを姉に独り占めされたんじゃつまらない。

 やっぱり自由は最高だ。そんな時、目の前の水面がピカリと光った気がした。


 そして次の瞬間、目の前にあった船団が消えた。いや、正確には進路を遮るように巨大な水の壁が現れたのだ。10mはありそうな巨大な水柱なんて見たことがない。


「そんな……何んなのよ、これ……」


 急な出来事に私の意識は水をかけられたかのようにハッキリと覚醒した。これは私への攻撃だ。吸血鬼はただでさえ流水が苦手だ。こんなのに当たってしまったら、無事には済まない。

 

 しかし、何をするにも気付くのが遅すぎたのだ。とっさにとった回避行動は間に合うはずもなく、巨大な水柱に激突。


 そして、私の意識はそこでぷっつりと途切れてしまった。
















2023年8月16日am11:44 旗艦〝いずも〟CIC


「ターゲット、レーダーロスト。撃墜しました」


 レーダー士から撃墜の報告を受けて〝いずも〟のCICは階級にに関わらず誰もが歓喜していた。

古賀司令を除けば……


「司令、やりましたね」


「秋津君、喜ぶのはまだ早いぞ。これより救出活動を開始する。”みょうこう”に溺水者救助を命ぜよ。航空隊はHS(ヘリコプター)を紅魔館に派遣し負傷者を収容。要救助者を〝おおすみ〟に搬送しそこで処置を行うものとする。いいな」


「了解しました」


「通信士、木島三尉と繋げてくれ。彼と少し話がしたい」


 古賀司令の命令で再びCICは再び喧騒に包まれた。












2023年8月16日am11:45 紅魔館 正面庭園


「わかりました。よろしくお願いします」


 その言葉を最後に木島は無線を切る。


「木島三尉、古賀海将は何と?」


「紅魔館と我が方の損害についてお尋ねになった後、今回の戦闘についての労いの言葉をかけていただいたぞ」


「すごいじゃないですか」


「命かけて戦ったんだからこれくらい当たり前だ。昔ならば感状ものだぞ」


 その時、木島三尉の無線からノイズが走った。


『特警01こちら山本。送れ』


「感銘良好。山本、状況送れ」


『咲夜さんは無事でした。しかし、レミリアさんは吹っ飛ばされたときにガラスで頭を切っちゃたみたいで……』


「止血できそうか?」


『頭だけなら余裕なんですけど……』


「何かあったのか?」


『実は、松本のはずした弾丸がよりによってレミリアさんの近くのステンドガラスに命中してしまったそうなんですよ』


「それで怪我しちゃたと……」


『飛び散ったガラスの破片が左腕に突き刺さってしまっていまして、とてもじゃないけど止血できそうにないんですよ』


「わかった。へたに抜こうとするなよ、変な摘出方だと余計に怪我を酷くして終わるからな」


『じゃあ治療できないってことですか?』


「大丈夫だ、海自のヘリが向かっているから少し待て」


 そう言った木島の顔色は勝利の歓喜をかき消すほどに蒼くなっていた。
















2023年8月16日am12:00 〝みょうこう〟CIC


 そしてここにも勝利の余韻に浸ることなく、次にやるべきことを見出し部下に指示を出している男達がいた。


「〝いずも〟から溺水者救助命令が下令された。本艦の総力をもってこれに対処する。左舷一号内火艇下ろし方用意」


 艦長の命令のもと、航海科を中心としたクルー達が溺水者救助のために配置に付いていた。


「砲雷長、君も内火艇に乗り込み救助を手伝いたまえ」


「了解しました」


 現場責任者は艦長の指示で砲雷長に決まったようだ。命令を受けた砲雷長はカポックと鉄帽(テッパチ)を点検しながら、CICを後にして左舷上甲板へと走り出す。


「〝いずも〟より空自のUH-60j救難ヘリおよびシーホーク対潜ヘリが発艦しました。シーホーク紅魔館へ向かいます」


 空自の救難部隊が”いずも”に乗っていたのはこの場合、幸運だったのだろう。陸海空の統合演習を企図したことで、今この瞬間に助かる命が増えるかもしれない。


「艦長、陸自の部隊は無事でしょうか?」


「あぁ、損害を受けていないといいな」



 こうして、創設以来初の自衛隊の実戦は実にあっけなく終結した。


さて、フランちゃんはレミリアはそして、自衛隊はどうなってしまうのか……次回をご期待ください。

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