08. KissとLove Letterと…
キスの日&恋文の日をテーマにしたもの、他2編。
<5/23 キスの日>
「痛いの痛いのとんでいけ」
その言葉と共に私のおでこに落とされる薄い唇。
このおまじない方法が普通のとは少し違う、という事を知った頃にはその行動の意味を聞くのが怖くなっていた。
そのおまじないは私だけにして!
そんな風に彼への気持ちが育ってしまっていた。
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<5/23 キスの日>
何やってるの?の問いに「手紙を書いてる」と短い返事。
でもその手には携帯しかない。メールを手紙とは…さすが昭和生まれ。
「よし!出来た」の声と同時にこちらに向けられた画面を覗く。
そこには『お前が 好きだ』の文字。
「…それくらい直接言いなさいよ、バカ…」
**覇王樹。は『手紙』と『画面』を使用した140文字小説を書きましょう【創作小説おだいったー】
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<黙って泣きやがれ>
窓の外は雨。ジメジメと湿っぽい。
室内に目を戻せば負けじと湿っぽい同僚の姿。
只今失恋のどん底の彼は酒片手に自分が好きだった子がいかに素晴らしかったかを呟いては涙を零している。実に鬱陶しい。
少しは黙って泣きやがれ!
…こんなヤツをずっと好きな私の方が泣きたいわよ!
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<その怒りすら愛しくて>
「お兄ちゃんのバカ!」
部屋に入ってきた途端に叩きつける、その言葉は僕への怒りに満ちている。
さて、うちのお姫様は何をそんなにお怒りなのかな?
壊れた硝子を掻き集めるように一つ一つの言葉に相槌を打ちながらやんわりと宥める。
興奮と怒りで紅潮した頬の丸みがただ愛しい。
**覇王樹。へのお題は『壊れた硝子を掻き集める・叩きつける、その言葉・頬の丸みが愛しい』です 【小説用お題ったー。】**