6/8
06. 黄色いミモザを君に/白い贈り物
短いお話2本です。
『3/8 黄色いミモザを君に』
「この花を見てたら君にぴったりだなと思って」
彼が差し出したのは黄色いミモザの束。
ご丁寧にピンクのリボンが付いている。
「花言葉は豊かな感受性。そろそろ僕の気持ちも感じ取って、ね」
「…はぁ」
「ほら、春はすぐそこだよ」
そんな彼の頭は早くも春爛漫の様だ。
*3/8はイタリアでは「ミモザの日」なのだそうです。
ミモザの花は日本の桜のように春の象徴としてヨーロッパで愛されていて、イタリアでは男性が感謝を こめて女性に贈る習慣もあるのだとか。
花言葉*豊かな感受性・感じやすい心
◇◇◇
『3/14 白い贈り物』
「はい、ホワイトデー」
そう言って彼が差し出した箱。
中には先日、私が気になって、でも値段を見て諦めていた白イチゴのケーキが入っていた。
白というより薄ピンクのイチゴはひどく甘い。
「おすそ分けしたげる…」
そういって最後の一粒を口に入れると彼の唇目がけて押し込んだ。
テーマは「今日は○○の日」
この2日を選んだのはあまり意味はありません。