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02. 突然の求コン

「だから、私には分かるのです。貴女こそが我が伴侶に間違いないと」


目の前に立つ長身長髪の青年は、私の右手を握りしめて熱く語る。

私の逃げを許さないその手もその眼差しもただただ暖かい。…てゆーか、熱い。


「あぁ、貴女の瞳はなんと美しいのだろう!こうして目を合わせているだけで、私は胸の高鳴りが抑えられそうにありません」


かつてここまで真剣に男の人に愛を囁かれたことがあっただろうか…いや、全く無い。

思いかえせば20数年(乙女的事情により正確な年は公表しません!)女子をやっているけど、出会う恋はことごとく私から好きになって、告白。…そして玉砕。

報われた恋愛なんてありませんとも!


なので、恋愛若葉マークの私にはどうしていいのやら分からない状況なのである。


「…あ、あの…」

「はいっ!なんでしょうか?」


恐る恐る言葉を発っしてみるも、相手の勢いが強すぎて先が続かない。

なんなのさ、その目の無駄なキラキラさは!


めったに見かけたことのない美貌の顔といい、彼が纏っているお幾らですか?と聞いてみたくなる高価そうな着物といい、突然出合い頭に告白してきた行動といい、彼には聞きたい事が山ほどありすぎる。



でも、今の私がなにより聞きたい事。

それは、先ほどから彼の背後でちらつく、ふさふさしたもの…。


そのふさふさは彼が動いたり喋ったりするのに合わせて、左右に揺れている。

彼の熱い視線を正面から受け止めるのが辛い(イケメン過ぎて!)私は、さっきからその動きを見てばかりいた。


「あの、ですねー。ちょっと聞いてもよろしいですか?」

「はい!貴女にならば何でもすべてお話しいたします。まずは祝言の日取りですか?…それとも新居の間取り?」

「いやいや。そんな大層な話じゃなくてですね…。その、あなたの後ろで動いてるソレ、何ですか?めっちゃ気になるんで触ってみても良いですか?」


私の急な質問に何の事か分からないといった彼。

先手必勝とばかりに、私はそのふさふさに手を伸ばした。


「…あっ」


途端、彼の口から短い声が漏れる。

触ったそれは見た目通りふわっとしてさらっとして暖かい。


「わが伴侶よ、それは私の尾です」

「へ?」


「私はこの国に古くから住む狐の神なので」

「……はい?」



「ですから貴女は”狐の花嫁”となる訳ですね」


ニコリとする彼。

私の手の中のふさふさも彼に合わせて機嫌よく動いている。



思考停止気味の私の頭には、白無垢でピースサインをして人力車に乗る花嫁姿の自分が浮かんだ……。




<Fin>

即興小説トレーニングより(一部加筆修正してます)

お題:情熱的な狐 制限時間:30分

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