第7話 あいつが
敵に見つかってしまった。この会場にいる料理人の何人かが敵だった。
「この野郎ーーー。」
私は大きな声を出しながら向かってくる敵を倒していった。周りの人たちはパニックで会場を逃げ出し始めた。
「くっ。誰が敵なのか分からない。」
その瞬間、ドーーーーーーーーーン。何故?私の手榴弾が爆発した。使っていないのに...。そう思った時に上から敵が下りてきて、私の首を掴んだ。
「貴様ら、我々の邪魔をするな。」
私は咄嗟に銃で撃った。首は解放されたが、撃ったのに敵は死なない。
「邪魔って何よ。あんたたちこそ、こんなことをして何になるのよ。」
「私は王様に使えるのみ。死ね。」
私は持っていた刃物を取り出し敵の心臓に突き刺した。
「あああああああ...。」
体全体の皮膚が剥がれゾンビとなった。カフェの時のゾンビか。とにかく刺すしかない。
「くらえーーーーー。」
私はジャンプをしながらゾンビの頭に刃物を突き刺した。
「貴様ーーーーーー...、こんな女に殺されるんんて...。」
私は敵に向かって、消えた料理長の居場所を聞いた。
「料理長はどこに行った?教えて。」
「へへへ...おそらく東北の松だろ...。」
急いで東北の松に向かった。エレベーターに乗ろうとした瞬間、腕を掴まれた。
「行かせない。」
やはりグルか。ベニショウ。
「あなた、本当は何者?」
「僕はベニショウ。」
「とぼけるな。未来予知じゃなくて最初から計画されていた訳?」
「僕は王様の言うとおりに行動しただけだよ。詳しいことは知らない。」
ベニショウに対しては殺意しかない。銃で撃った。あっけなく倒れた。
「真子ちゃん、王様は本当に強いから。」
そう言ってベニショウは死んだ。
「真子。」
パパの声だ。私の方にパパとママが来た。
「私も行くわ。」
「大丈夫。あの3人なら全員倒せる。料理長を倒しに行くぞ。」
「さっき敵が王様って言ってた。」
「あいつが王様か。」
「パパ、ママ。早く行かないと。」
3人で東北の松に向かった。
東北の松は、やけに静かだ。木の近くに王様がいた。
「遅いな。原田優希、原田明日香、原田真子。攻撃はしないから上に登ってこい。面白いものを見せてやる。」
私たちは恐る恐る上の木に向かって登った。王様の隣に女の人の死体があった。
「凛。」
パパの知り合いが殺されていたのだ。
「凛に何をした。てめえ。」
「関凛は、この世界と別世界を行き来していた。俺と同じことが出来る人間が気に食わなくてな。殺したんだよ。」
「凛は、たった1人の仲間なの。」
ママも悔しんでいる。
「今の段階で貴様らを殺すのは難しい。だから俺は別世界に行って貴様らを殺す。」
「待て。」
パパが王様に近づこうとした瞬間、王様は消えた。 続く