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短めです。
読んで頂きありがとうございます!
「そういう訳なので、世界樹様に協力頂いて魅了を中和してくれる遅効性の札と即効性のあるポーションを作ったので、とりあえず第二王子殿下で試してみては如何でしょうか」
「……は?」
「……」
呆けた声を上げたのはこの国王陛下で無言で考え込んでいるのは王太子。そう私は今謁見を申し込んで了承され、国王陛下と王太子と顔を会わせている。
王妃様経由で謁見を申し込んだお陰で、急な事にも関わらずすぐに場を整えて貰う事ができた。王妃様には今度お礼をしなくては。私ができる事なんて多くはないけれど。
「ちなみに陛下や王太子殿下はこの地に伝わる英雄であらせられるアルマグナム様の特性を継いでいるので彼女の影響を受ける事はないそうです」
これは世界樹が言っていた。アルマグナムの特性を継ぐ者はあらゆる精神干渉を受け付けないらしい。それ故に世界樹の声も届かない。神様からの神託なら別らしいけど。
ちなみにこの特性、血の繋がりは全く関係ないそう。不思議。
「…ザラもか?」
「いえ違います。私の場合は魅了の効果範囲内に近づいていないからのようです」
「……学園に通っているのにか?」
「入学まですっかり存在を忘れられていた王女とか扱いに困るでしょう?担任になった先生が哀れな程に困っていたので病弱という事にして貰って一日中書庫で過ごしていました」
「王女を書庫に?教師が許可したのか?」
「えぇ、ですが、お二人も私が書庫で過ごしていた事に気づかなかったのですよね?つまり、私の扱いなんてそんなものなんです。先生を責めるのは筋違いですよ。で、これ、どうします?」
ポーションと札を見せる。
「……いいだろう」
「陛下」
逡巡した陛下が了承するのを王太子が止める。
私も陛下がこの場で即決するとは思わなかった。第二王子ではなく、他の身分の低い物に試させてとか、魔法士に確認させるとか何かしらの段階を踏むだろうと思っていた。私としては王族が先に使って効果を実証した方が話が早いと思うから良いのだけど。
「ザラは王族としての品位は足りないが、無用な嘘や妄言を述べるような子ではない。他者に毒を仕込むような真似もな」
自分の子だと認識していたのか。驚きである。だいたい品位が足りないのはまともな教育係を付けてくれていないからだと思うのだけど。王女に生まれたからって勝手に気高く育つと思うな。
「……声に出ておる」
「まあ、なんて事!どうか無礼をお許しくださいませ」
「……第二王子を呼び出せ」
結果を述べると効果は絶大だった。抵抗した第二王子は騎士に簀巻きにされて連れてこられた。陛下自ら第二王子の口にポーションを無理矢理流し込み、飲まされた第二王子は丸二日寝込んだ。
そうして、目が覚めるとまともな思考を取り戻していた。魅了にかかっていた期間の記憶は、靄のようでぼんやりとしか思い出せないそうだが、件の令嬢については『可愛いらしい』と思った事は覚えているらしい。まだ残っている魅了の魔力が体内から完全に無くなるまで札を身に付け身を潜める事となったそうだ。
後の事は陛下達がどうにかしてくれないかなーと札を作りながら考えていたら、陛下から呼び出された。




