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叫んだ。
──叫びとは?
僕は、時々いろんなことの定義を考えてしまう。様々な情報が飛び交い、様々な文化の民族が共存するこの時代で、そんなことを考えても、『無駄』だということはわかっていても。
仕方ないことなんだ。だって、これが僕の性格。だって、これが僕の“性”なんだから。白黒つけなきゃ満足しないし、違和感が大嫌いな、絶滅寸前の今を生きる頑固少年──それが、僕、尾野省なんだから。
そして、僕は今、“叫び”の定義を考えている。勿論、今から正真正銘の“叫び”をするからだ。それをするには、今、この状況で大声を出すことが、“叫び”であると、自分で認めなければいけない。
そして、僕は認めるだろう。これが、正真正銘の“叫び”だと。
「説明しやがれぇぇぇぇ!!!!!」
いろいろ難しいこと言ったけどキレたいだけなんです、目の前の少年に。