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最高の人材を求めて  作者: 葉月 優奈
四話:最高の人材を求めて
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私は、迷っているのだろうか。

私は、間違っているのだろうか。

この時代の人間を、時間をかけて私は調べた。

調査対象は、成長した大人に厳選していた。


その結果、成長をしないことを知った。

同じようなミスを犯し、あり得ない失敗をした。


そんな人間がいるこの時代に、最高の人材がいるはずも無い。

だとすれば、人間の多くを消すのは問題ないだろう。

悪い人間がいなくなれば、選ばれた人間の中から最高の人材に近づく人間が生まれる。


そうだ、これは前進だ。

人類が再び世界に、生き残るための進化だ。

そうだと、私は思っていた。エイレネーも、私を支持してくれると思った。


「ねえ、この時代の人間を本当に消すの?」

「消したほうが、最高の人材が生まれやすい」

「確かに、今まで見た人間は最高の人材にほど遠い」

エイレネーは、私の言葉を肯定した。

肯定した彼女と、私の間にはそれでも何か違いが感じられた。


「でも、エイレネーは消そうと動かない。

ガイアの起動は、私で無くても出来るのに」

「確かに、あたしはそれをしなかった。なぜだと思う?」

「人間の可能性?」

「可能性もあるけど……やっぱりあなたを見て思ったのよ」

「私?」自分の顔を指さした。

そんな私を、エイレネーが優しく抱きしめていた。

大きなエイレネーは、抱擁力が違う。

私を包み込むように抱き住めたエイレネーは、とても温かい。


「あなたも、サンプルの一太刀のような失敗をしてしまうのではないかと」

「私は……そうなのか?」

「ええ、なんか辛そうだから。迷っていて、苦しそうだから」

エイレネーの言葉が、暖かくて心地よい。

それでも、私はエイレネーから離れた。


「でも、分からないんだ。

だとしたら、どうやって最高の人材を探せばいいのかを」

「それならば、心配いりません」

そんな中、突然時空の切れ目が近くに現れた。

モヤモヤした切れ目の中から、一人の人物が姿を見せた。

その姿を見て、私は驚いていた。


「メタトロン」

黒スーツ男は、何事も無かったかのように再びこの場に現れたのだから。



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