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最高の人材を求めて  作者: 葉月 優奈
四話:最高の人材を求めて
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メタトロンは、私の行動にいち早く反応した。

私がやろうとしたことは、一つ。


それは、無色空間(ガイア)の広域展開。

今、使っている空間の広域展開を広くすること。


つまりこの近辺の人間を一瞬にして消し去るというもの。

未来の技術ならば、それは不可能では無い。

だけど、私の手を掴んでそれを阻止してきたメタトロン。


「何をする?」

「ガイアの広域展開は、多くの人を巻き込みます。

ガイアに封じ込まれた人は、簡単には出ることが許されない」

「そう、この世界で消滅を意味する」

「それは、月まで迫った崩壊と同じなのでは?」

「だが、三人サンプルを見てもいずれも問題が多い。

とてもこの時代には、『最高の人材』がいるとは思えない」

私は、一つの結論を出していた。

だが、それでもメタトロンは否定した。


「でも、人類を全滅させることは無いでしょう。

それに、過去でむやみに人類を消し去っては時間逆説(タイムパラドックス)も起こる可能性があります」

「そうならないように、計算をする。

展開の設定だって、私はしくじらない」

「それでも、この時代の人間に干渉するのは良くないと思います」

メタトロンは、淡々と言い返してきた。


「お前は、成長という言葉を知っているか?」

「はい、人間の基本能力が上昇することですよね」

「サンプルの3人は、大人になっても成長していると思うか?

同じような失敗をして、それを繰り返す。

自分がかつて、弱者だったことも忘れて繰り返す。

これは成長していないと言っても仕方ないのではないか?

だとすれは、むしろ最高の人材を探す上で弊害でしか無い」

メタトロンの手を振り払った。

正論である私の言葉に、メタトロンも黙ってしまう。


そんな私は、スマホを操作していた。

一つの操作をスマホで行なうと、突然私とメタトロンの目の前の空間に、亀裂が見えた。

亀裂の奥には、不思議な時の流れが見えた。


「お前は一旦、この任務を離れよ」

「エウノミア様……」

「これは、命令だ」

私の言葉に、メタトロンは頷いた。

AIロボの主導権限は、いなくなった所長と私だけだ。

所長がいない今、メタトロンは私に逆らうことは出来ない。


「分かりました。エウノミア様」

彼は表情一つ変えずに、そのまま裂け目の方に近づく。


「では、少し頭を冷やしてきます」

そのまま、メタトロンが裂け目の中へと入っていった。


私はそれを見ながら、ため息をついていた。

隣にいたエイレネーは、私の後ろからじっと私の背中を見ていた。


「いいの、エウノミアちゃん?」

「うん。メタトロンは、さっきから言っていることが少しおかしかった。

これで良かった。エイレネーさん、ところで……」

「エウノミアちゃん、本当におかしいと思いますか?」

エイレネーが、厳しい一言を私に投げかけていた。

私は、思わず驚いた顔を見せていた。



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