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最高の人材を求めて  作者: 葉月 優奈
三話:迷惑老人・『|柴島《くにじま》 栄五郎』
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041

(METSTORON’S EYES)

灰色の公園、無色の世界。

無色空間(ガイア)は、どこまでも広がる世界。

だけど、それは現実世界と全然違う。


この空間を展開した人物は、下っ端の自分では無い。

黒スーツを着た自分は、ガイアを利用して柴島(くにじま) 栄五郎を観察していた。


そんな自分は、柴島兄弟がいなくなった箕面第四公園に一人だけ残っていた。

この空間には入れる人間は、招き入れられた人物だけ。

普通の人間は、入ることもその存在さえも知らない。


(データは、全部取り終わった。早速、戻ってきたか)

ガイアの世界の空間に、謎の切れ目が見えた。

その空間を空けると、一人の人間が姿を見せた。


「やっときたのね、メタトロン」

カーキ色のセーラー服を来た、ロングカールの女。

スマホ端末を持って、冷静な顔で姿を見せていた。


「お帰りなさいませ、エウノミア様。観察は終わりましたか?」

「ええ」

エウノミアは、スマホを見ながら近くにある白いベンチに腰掛けた。

立ったままの自分は、直立不動でエウノミアを見ていた。


「エイレネー様も、そろそろ戻ってくるそうです」

「メタトロン」

「はい」

「『最高の人材』の話はいい。所長とは、この時代で会わなかったか?」

「いえ……残念ながら。

この時代の少し前に来ているのですが、検察がやはりかからないです」

自分は、正直に話していた。


自分たちが探しているモノは二つ。

一つは『最高の人材』。

もう一つは、失踪した所長だ。


だけど、所長の行方は今も分かっていない。

どこにいるのか、何をしているのか。

そもそも、今の時代に生きているのか。

それさえも全く分からない、手がかりすら無い。


「ふむ、そうか」落胆したエウノミア。

特に彼女にとって所長の存在は、大事な存在だ。

それでもスマホを見ながら、話を続けていた。


「柴島 栄五郎……彼のレポートはまとまったか?」

「はい、エウノミア様。あっ、戻ってきましたよ」

自分が話すと、再び空間に切れ目が見えた。


切れ目が広がって、その中から一人の人間が出てきた。

それは、紺のセーラー服を着た長い髪の女性が姿を見せていた。


「戻りましたよ」

「ああ、やっと着たか。エイレネー。

所長は来ないけど、一度監査の報告をするか」

ベンチから立ち上がったエウノミアは、エイレネーの方を見ていた。

エイレネーもまた、エウノミアを見て頷いていた。


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