004
――2024年2月26日――
なぜか俺は、不思議な夢を見ていた。
これは、二日前の土曜日の出来事だ。
それを夢で見て、目を覚ましたときにはバスの中だ。
誰もいないバスの中。
バス自体も倉庫に止めて、帰ろうとしたときに女子中学生が出てきて意識を失った。
急に強い眠気が襲ってきたようだけど、それまでの記憶が朧気だ。
バスの中を、見渡した。
少し視線が低いのか、見えるのはバスの椅子。
だけど、人が誰もいない。
当たり前だけど、子供達を小学校に置いてこの車庫に来ていた。
薄暗い車庫の中には、誰に人がいるはずもない。
なにより、あんな女子中学生を乗せた記憶が俺にはなかった。
(疲れているのか?気のせいだよな)
だけど引っかかるのが、『脱出ゲーム』と言う単語。
これは、どういう意味だろうか。
それでも、俺は体を起こそうとした。
(あれ、なんか目線が低いような……)
立ったはずなのに、視線が低いままだ。
俺の身長は、177センチ。平均成人男性より少し大きい。
だけど、バスを見ている視点がとても低く感じられた。
そして、俺は自分の手を見て驚いた。
(あれ、俺の手ってこんなに小さかったっけ)
見えたのは、子供の手。
その手は、いつも見ている俺の手ではない。
子供の手が出てきて、俺は驚いていた。
「え、え?」
手を見ていると、見えたモノがあった。
それは俺が着ていた、バスの運転手の制服だ。
なぜ、俺の制服が脱がれているのか分からない。
それでも床に置かれた服を見て、俺は自分の体を見てみた。
裸の体、しかも子供の体。
「待てよ、待てよ」
俺は、後ろにあるバックミラーを見つけた。
そこから見えた俺の姿は、なんと子供だ。
しかも裸の子供の姿が、バックミラーから見えていた。
「俺……ガキになってね?」
バックミラー越しに、俺は自分の現状を理解した。
それと同時に、俺は思わず誰もいないバスの中で叫んでいた。