086 彼がずっと好きだった同級生。彼からの告白待ちしていた真意とは…
「………
………
………どうしたの?
いきなり、屋上なんかに呼び出して。
結構寒いし、早めに用事済ませてよね。
………ふーん、すぐ済むんだ。
で?一体何の用なの?
………
………
………
…す…き………?
えっと、それ、は………。
………そう、なんだ。
告白、なのね………
………
…返事?
えっと、そう、だね………
………
…あっ、ううん。別に君のことが嫌いとかそういうことじゃなくて…
なく、て………
…うーん。
………うん、いいよ。
………
…聞こえたでしょ?
いいって言ったの。
………うん。
君と付き合ってあげる」
「………うん。うん。そうだね。
…うふふ。
………あ、ごめん。友達来ちゃった。
今日、一緒にお昼食べる約束してるから。
じゃ、またあとでね。
………
…ごめーん、待った―?
ちょっと、話が長引いちゃってさー。
………ああ、あれ?
私の彼氏。
…いいっていいって。
約束してたのはこっちなんだし。放っておけばいいの。
それより、お昼何食べる?
…あたしはそうだなー………
なんかかつ丼の気分かな。
…えー、別に太らないって―。
部活超忙しいし、逆に食べないとやってられないんだって。
…すいませーん。かつ丼お願いしまーす。
………
…来た来た。
あ、あそこの席開いてる。座ろ座ろ。
(パシッ)
いただきまーす。
………え?ああ、うん。
彼氏だよ。さっきも言ったじゃん。
…まあ、ね。
ずっと前から好きだったし。それは付き合うって。
………告白は向こうからだよ。
向こうが私に告って、それでOKした感じ。
………私からしなかった理由?
いや、私の方からはしないよ。
だって………
告白したら、負けだもん。
告白っていうのはさ、「付き合ってください」って、お願いするよね。
頭を下げて、相手に頼み込む。
いわば、告白する方が下で、告白された方が上。
付き合うってことになった時点で、上下関係がはっきりする。
お願いして付き合ってあげたんだから。向こうはあたしの言うことを何でも聞く。
あたしが来てっていえばすぐに来るし。
あたしがダメって言ったことは絶対にやっちゃいけない。
惚れた弱み…っていうのはちょっと違うのかな。
とにかく、告白をしてきた時点で、こっちが相手の弱みを握れる。
だからむこうは、あたしがしたいって言ったら絶対デートしなきゃいけないし。
浮気することなんてできないし。
自分から別れ話を切り出すこともできない。
それだけ立場が上なんだから、こっちから告白なんてしないよ。
…ふふっ。
これから、どういうこと要求しようかな。
他の女子と話すなっていうのは当然として。
目を見ちゃいけないとか、近くを通るのもダメにしようかな。
毎日夜寝る前には3時間くらい通話して。
それで、部屋にはカメラをセットして、出かける時はマイク持ってもらって。
食事もスケジュールも何もかも、私が全部管理しようかな。
でも、さすがに何でもっていうのは面倒かな。
うん。学校にいる間くらいがちょうどいいか。
それなら私もプレイベートの時間取れるし。
ああ。楽しみ楽しみ。
(~~~♪)
あれ、メッセだ。
なになに………
え、今度のデート行けないって何?
『行・け・る・よ・ね?』っと。
これでよし。
ふふっ。
映画館のデート、楽しみだなー」