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079 塩対応彼女。いつも彼にそっけない態度をとる裏で実は…

「(タッタッ、シュッシュッ)

…うーん………そうだねー…

………えっ?

ああごめん、スマホ見てて聞いてなかった」




「…お昼?

………あー、今日はいいや。

食べるのなら一人で行って」




「デート?

…うーん、ごめん。

今日ちょっと用事あるから無理。

また今度ねー」




「(タッタッ、シュッシュッ)

…うーん………そうだねー…

………えっ?

ああごめん、スマホ見てて聞いてなかった。

何の話?

………うん、へー…

(タッタッ、シュッシュッ)

…そうなんだ………

(タッタッ、シュッシュッ)

はー………

(タッタッ、シュッシュッ)

ふーん………………

(タッタッ、シュッシュッ)

すごいねー………………………

………ん?

いやいや、聞いてるって。

この間見た映画の話でしょ?

………ああ、テレビの話か…

ごめんごめん。

…いや、ごめんって。ちゃんと謝ってるじゃん。

………

あー、もう。うるさいなー。

こっちだって色々忙しいの。

ちょっと話聞いてないのくらいでそんなに怒らなくても…

………ちょっと、もう行っちゃうの?

まだバイトの時間じゃ………

………行っちゃった。

あんなに怒んなくてもいいのに。

………ま、いっか。

さて、と………あいつのSNSにコメしてたのは………この人か。

うわー、いかにもキラキラしてますって感じのプロフィールだ。

チャット機能は…これか。

『どうもどうも、初めましてー』

(~~~♪)

………返信はやっ。どんだけヒマ人なんだか………

『いきなりメッセージすいません』

『ちょっとあなたに、言いたいことがありまして…』

『―――人の彼氏を口説いたりするの、やめてくれませんか?』

………は?何この返事?

『とぼけないでください。昨日の夕方、ここにコメントしてますよね?』

『よくもいけしゃあしゃあと人の彼氏と会話しちゃって』

『彼女持ちってことわかっててやってるんですか?』

………うわ。逆ギレとか。本当になんなのこいつ?

『とにかく、もう二度と人の彼氏のところにコメントしないでください』

………ああ、もう。ぎゃあぎゃあうるさいなー。

ブロックブロックっと。

………じゃあ今度は、こっちの投稿にコメントしてたやつっと………」




「…お昼?

………あー、今日はいいや。

食べるのなら一人で行って。

………別に、何でもない。

大した用事じゃないし、あんたがいてもどうにもならないやつだから。

………あー、はいはい。今度ね今度。

わかったわよ。今度はちゃんとするから。

…うん。だから今日は、ね。

じゃ。

………

………

………

…ここの、教室、かな?

(ガラッ…)

あ、いた………

………あの、すみません。

あなたってさっき、経済学の授業出てた人ですよね?

………はいはい、その先生の授業です。

それで席って、真ん中の列の後ろぐらいのところで受けてました?

…うんうん。間違いない、と。

………

…なにって、それは………

―――なに人の彼氏と浮気してんだって話ですよ。

………してないって…

こっちはちゃんと見てたし。

さっきの授業中、私の彼氏と顔寄せ合ってささやき声で会話してたでしょ?

…え?別に私のその授業取ってないけど?

でも、彼氏が受けてる授業にこっそり入って見てるのに何の問題が?

で、浮気してたんでしょ?

………ノート見せてもらってただけ?

…いやいや、たとえそうだとしても、あれだけ顔寄せ合ってたら浮気よ浮気よ。

もう二度とあんなことするのやめてくれない?

ていうか、あいつと一緒の授業に出ないでくれる?

………なんでって、そりゃああなたが誘惑するからじゃない。

誘惑したあなたが悪いんだから、当然でしょ?

…いいから、とにかくあいつに近づかないで、わかったわね?

………わかったのなら返事しなさいよ。『はい』よ『はい』。

…うんわかった。とりあえず見逃してあげる。

だけど今度似たような事したら………わかってるわね?」




「デート?

…うーん、ごめん。

今日ちょっと用事あるから無理。

また今度ねー。

………また今度だって。

…あー、まあ。ドタキャンするのは今回が初めてじゃないけど…

………しょうがないじゃん。急用ができちゃったの。

…うん。そう。急用は急用。すぐにやらなくちゃいけないことなの。

…いや、今次のデートの日決めるのは、ちょっと………

…ごめんってば!

謝るから!

ごめんごめん。

…じゃ、本当に急いでるから。

じゃねー。

………

…ふう、やっと終わった。

本当にあいつもしつこいんだから。

………

………

………

………ん、着いた。

あいつがバイトしてる喫茶店。

まあ、今はあいついないわけだけど。

(チリンチリーン!)

………

…ふう…さてと………

(スタスタスタスタ、スタ)

ああ、注文?

注文は………あなたで。

………聞こえなかった?

あなたって言ったのよ、あ・な・た。

…喫茶店なのは知ってるわよ。

いいから、ちょっとそこ座ってくれない?

………用件っていうのは…

―――あなたにこの店を辞めて欲しいの。

………辞めてって言ったのよ。このお店を。

…何の権限かって。

それは、私があいつの彼氏だから。

…あんたさ、水曜と日曜、あいつと一緒のシフトなんでしょ?

………そりゃあ彼氏のバイトシフトくらい、彼女なら知ってて当然だし。

まああいつ、私がここに来るのを嫌がってたから、外から眺めてただけなんだけどね。

…それでさあ、あなた。人の彼氏と何やってるわけ?

………仕事って、よくもいけしゃあしゃあと。

雑談したり、ピッタリ隣で作業するのがどこが仕事よ。

あいつにアピールしてるのバレバレなんですけど。

あいつに私っていう彼女がいるのは知ってるんでしょ?

それなのに………

………ええ、だってそんな会話してたじゃない。

あいつに付けておいた盗聴器から聞いてて知ってるんだから。

…何?彼氏のこと知りたいっていうのに何が悪いのよ?

好きな相手のことは何でも知りたいっていうのは普通のことでしょ?

…それより、彼女がいるっている相手に対してあなたの態度が気にいらないって言ってるのよ。

だーかーら、今すぐこのバイト辞めて。

…そう、今すぐ。

………なんなら、三ヶ月分の給料でどう?

それなら、次のバイト探す時間もできるし。

…え、マジよマジ。

何なら、封筒今すぐ出してもいいけど?

………そ、じゃあ辞めたの確認できたら渡してあげる。

………

…あ、もちろんだけど、当然あいつとはもう連絡とかもしないでね。

もしそんなことしたら………

―――マジでキレるから」




「ふわぁ………あ。

…んー?

あー、ごめん。もう一回言って?

ふーん………

へー………

はー………

ほー………

………

………

………

………え、今、なんて………?

別れるって、なんで?

塩対応すぎるって………

いやいや、そんなことないって。

私、いつもあなたのことだけ考えて………

ねえ、待って。待ってよ!

話をちゃんと………

………あ。行っちゃった…

………

え、え。

なんでなんで。

なんでこうなっちゃったの?

私は悪くない私は悪くない。

だって、あんなにあいつのことだけ考えて………

………あ、そっか。

そっかそっかー。

あの子のせいか。

サークルの後輩ちゃん。

最近やけにあいつに近づきすぎてるって思ったけど、そういうこと。

あの子が、あいつに余計なこと吹き込んだんだ。

そうそう、そうに違いないよね。

だって、そうじゃなきゃ、あいつがあんなこと言うはずないもの。

なら、今度はあの子を消せば………

ふふっ。

ふふふふふふっ。

ふふふふふふふふふふっ」


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