077 後輩研究員は大好きな彼と一緒に愛の研究がしたい
「おっはようございまーす、センパイっ♪
今日もセンパイは格好良くて可愛くて凛々しくてシュンとしてますよねー。
私の大大大好きなセンパイ。
今日も愛についての研究を始めましょー!
…それにしても、愛とか好きって感情は不思議ですよね。
好きな人とデートに行く。
その場所には何回も行ったことがあるのに、好きな人と行くだけで景色ががらりと変わる。
センパイと一緒に行った動物園。
一人でも何回も行ったことはありましたけど、センパイと一緒に行った時は楽しかったなー。
心拍数が普段の1.5倍くらいになって、かなり興奮してましたよ私。
…好きな人との触れ合うのも同じで、普通人って自分のATフィールド作ってて、そこに他人が入ることを許さないんですけど、好きな人が入ってくるのは大歓迎。
センパイと手をつないだり、はぐしたり、キスしたりするのはどんとウエルカムになっちゃんです。
これは、好きな人と自分が混ざり合いたい、合体したい、一つになりたいってことなんですかね?
確かに、センパイと同じ存在になれたらどれだけいいものか。
センパイと一つになって、センパイの考えてることや行動が一緒になったらって思うと、興奮して鼻血が出そうですもん。
…好きな人ができると、思考もその人一色になってしまいますよね。
24時間365日その人のことだけを頭の中で考えて思考して考察する。
趣味とかと一緒のパターンですけど、でも、趣味とかと違って、いつまでもいつまでそれだけを考えていられるのが不思議です。
今も私は、脳内の100%、センパイのことだけを考えて生きています。
ある種支配の感情ともいえますけど、センパイに支配されるなんて…キャー!
…こんな風に、とにかく愛の感情は不思議なことだらけです。
これまでは上から言われるがまま、無機質に冷静に不愛想に研究をし続けてきた私ですけど、センパイと会ってからはこの研究がしたくしたくてたまりません。
好きとは何か?
恋とは何か?
愛とは何か?
どうやってセンパイのことを好きになってるのか、知りたくて知りたくてたまらないです。
そのロジックを理解すれば、もっともーっと、センパイのことが好きになれますもん。
いち早くこの謎を解明しないといけませんよね。
…じゃあ、センパイ、そろそろ実験の方始めましょうか。
………
…ああ、カプセル越しだと、あまり声も届きませんか。
すいませんすいません。
でも、カプセル越しでも先輩は相変わらず格好良くて可愛くて凛々しくてシュンとしてますね。
今はもう、その手も足も口も目も動かないセンパイですけど、そんなセンパイでも私は大好きです。
全然全く変わらずにセンパイのことが大好きです。
今日もたっくさん研究して、もっともーっと、センパイのこと好きになりますね♪」




