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005 恋人の年上お姉さんに布団でぎゅっとされた僕はもうどこにも逃げられない…

「おはよう~。

もうお外は明るいよ。いつまで寝てるの~?

……もう、起きないんだったら…こうだ!

(ぎゅー)

キミの体あったかーい。

…え~、暑苦しいって?

布団から出ないキミが悪いんだよ。

………

ねえねえ、それでそれでね。

昨日はいつまで起きてたの?

………まあ、夜更かしくらいいいんだけどね、ご飯食べて、お風呂入って、布団に入ってから、ごそごそなんかやったよね?

………

どうしたのー?黙っちゃって?

大丈夫大丈夫、怒ったりしないから、教えて。ね?

………

ふーん、LIMEやってたんだ~。

(ぎゅー)

―――誰と?

…いやだから、誰とLIMEしてたの?

………

へー、学校の女友達と……ああ、あの同じクラスの子か。ちょっとたれ目で、ボブカットの。

…え?ああ、うん、もちろん知ってるよ~。

キミのことならなんでもね。

それでそれで、私に何か、言うことないかな?

…うん、『何か』だよ。『何か』あるよね?

………

うーん…『もうあの子とはLIMEしない』か―……

ちょっと違うんじゃないかな、かな?

………

うんうん、そうそう。

『LIMEの中の全員の女の子をブロックしてから、連絡先を全部消す』

それでいいんだよ。

前に私が言ったこと、守れてえらいねー。

よしよし。

(なでなで、なでなで)

キミのこと、大好きだよ~。

(ぎゅー)」




「ごろごろ~、ごろごろ~

ふわぁ………あ。

ご飯食べた後のお昼寝って、気持ちいいよね~。

いろんなこと忘れて、ゆっくりできる時間。

(ぎゅー)

それで、ちょっといい?

…んー?ちょっとはちょっと。

さっき二人で買い物に行った時さ、私がいろいろ選んでる時、どこ見てたのかな?

…『どこか』って、どこかだよ。まさか立ったまま眠ってたわけじゃないよね?

…で?どこ見てたの?ちゃんと教えて?

………

こ~らっ!ウソついちゃダメだよ~。

『他の商品を見てた』だなんて、すぐわかるウソついて~。

私、買うものを選んでてても、キミのことしっかり見てたんだから。

………

そうだよね、そうだよね。他の女の人のこと、見てたんだよね。

まあ、確かに見ちゃうよね~。隣のマンションに住んでる、スタイル抜群でモデルもやってる人のことなおさらなおさらなおさら。

(ぎゅー)

―――でも。でもでもでもでも。

私に言うこと、ちゃんとあるよね?

………

うん。

『もう他の女の人なんて見ない。君だけを見てる』

そうそう。ちゃ~んと、わかってるじゃない。

―――でも、それなのにどうして、できなかったのかなー?約束破っちゃったのかなー?

もしまた今度やったら、私、どうにかなっちゃうかもしれないなー。

そうなったら、何するかわからないよ?

(ぎゅー)

…ごめんごめん、ウソウソ。

私はキミのこと、一番に考えてるから。

大好きなキミが、幸せになれるように、ちゃ~んと、ね?」



「…よいしょ、っと…

今日も一日お疲れさま。

よく頑張ったねー、えらいよー。

(なでなで、なでなで、なでなで)

じゃあ、キミのお布団に失礼して…

(ぎゅー)

…やっぱりキミの抱き心地は最高だよ~。

やわらかくって、すべすべで、もちもちで、ほんっと、かわいいよ~。

………

ねえ、それで。今日は何してたの?

………

『一日外でぶらぶらしてた』か…

へー、そうなんだー………

(ぎゅー)

…んー?

『今日は誰とも女の子と喋ってないし』

『誰のことも目で見てない』?

それはそうだねー。

私もそれはちゃんと知ってる。

(ぎゅー)

―――だけど、でも、だって、けど。

他の女の人と、一緒の空気吸ってたよね?

電車で、カフェで、コンビニで。

あんなに近い場所で、他の女の人と同じ空気吸っちゃだめだよ。

………

んー…うん、決めた。

やっぱり、キミはこのおうちの中にずっといてよ。

…大丈夫大丈夫。必要なことは全部、私がやってあげる。

だからキミは何も気にせず、このおうちの中にいて、ね?

………

『それは無理』?

(ぎゅー)

―――どうして?何が無理なの?

私とこのおうちにいるのが、いやなの?

ぎゅーっとされるのが、いやなの?

私とお話することが、いやなの?

ねえねえねえねえ。

(ぎゅー)

―――答えて?

………

『わかった』

うんっ!わかってくれてありがと~。

キミならちゃんと、わかってくれると思ったよ~。

よしよ~し。

(なでなで、なでなで)

これからはずーーーーーーっと、

このおうちで、

二人っきりで、

いつまでも、

過ごそうね」

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