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044 【ルートB】お酒好きでクズのヒモ女に別れ話を切り出したら…

「(ガチャッ…)

…ただいまー。

今日も愛しのあたしが帰ってきたぞー。

…っとっとっと。

あれー?いないのー?

………ん、ただいまー。

…はー、今日も飲んだ飲んだ?

んー。今日行った店―?

バーと、居酒屋と、24時間のファミレスと………

んなー、酒持ってきて酒―。

まだまだ飲みたんないからさー。

………飲み過ぎって、別にいいじゃん、あんたに迷惑かけてるわけじゃないだし。

そんなことよりお酒ちょうだーい。

………え、別れる?

…いきなり何?

お前の方から付き合いたいって言ってきたのに、急になに変な噓言い出すんだよ。

………嘘じゃない?

いや、だからって別れるっておかしいだろ。

あたしはあんたのこと、めっちゃ愛してるし。

あんただって、あたしのこと愛してるんだろ?

いつまでも変なこと言ってないでさ、お酒………

………は、本当に?

いや、ちょっと待て待てって。

別れない別れない。

あたしにはお前しかいなんだよ。

だから、な?

もう一回考え直して…

お願い。お願い。行くなって。

………

………

………

…え、やっぱりやめる?

なんだよ。驚かせやがって。

やっぱり、お前はあたしがいないとダメなんだな。

あたしは最初から、全部わかってたぞ。

これからも、よろしくな。

それじゃあ、愛しのあたしのために酒持ってきてー」




「(ガチャッ…)

ただいまー。

ひっく。ひっく。

(バタン)

…おー、ただいまー。

ちょっと起こしてくれー。

もう立てなくてさ―………。

………見ての通り見ての通り。今日もハシゴのハシゴで酒三昧って感じ―。

お酒におぼれちゃってるって感じ―?

…あ?あたしがいくら酒飲んだっていいだろー?

あたしが何しようが、どんだけ飲もうが、恋人のあんたが文句言ってんじゃねーよ。

また殴んぞこら」




「(ガチャッ…)

………んー、飲み過ぎたー…

あ、お前かー。

うーん?

いやー、別に今日はそんなに飲んでねーし。

うん。さっきまでホテル行ってたー。

………んー?

今言ったじゃん。ホテルだよホテル。

今日、っつーか昨日も飲み屋で飲んでたんだけど、途中で金なくなってさー。

近くの奴と相席して、おごってもらったんだー。

んで、そのお礼ってことで、その中の一人とホテルーって流れー。

………えー?だって、金ないところをおごってくれたんだぜ?

何かお礼しないとダメだろうが、人としてさー。

………

…別に、愛してんのはお前だけだぜー。

あれ、何?

それとも妬いてんのー?

それじゃあ、いまからするのでもあたしは………

…って、おーい。

一人で寝んの―?

おーい………」




「(ガチャッ…)

………あ、お帰りー。

(ゴクゴクゴク)

…プハァー。

ああー、やっぱこの味がたまんねーなー。

…何って。酒だよ酒。見ての通りさ。

………え、そんな金ないだろって?

そうそう、そうそう。

それがどういうわけか金が全然なくてさー。

だから何とかファイナンス?ってところで金借りて、その金で買ってきたー。

………んー?あー、確かにあたしの名前じゃ貸してくんなかったけど、家のハンコ持って、あんたの名前だったら貸してくれるって。

優しかったなー、あそこのおっちゃんたち。

お前も酒飲む―?

こんだけあるんだから、一個くらい飲んでもいいぞー。

………

………なんだよ、難しい顔しちゃってさー。

別にいいじゃんいいじゃん。

あたしはあんたの恋人なんだから、あたしが何したって許してくれるだろ?

あん時『別れない』って言った時、本当にあたしを好きだってのが分かったんだろ?

あたしも、酒飲みまくって男とホテル行ってたまにお前を殴って金借りたりしてくるけど、お前を愛してるのは変わらないぜ。

…おい、ちょっとこいって。

いいから、こっちこっち。

………愛してる。愛してる。愛してる。

…ほーら。

こうやって囁けば、あたしの愛がちゃんと伝わるんだろ?

………大大大好き。愛してるよ。

これからもずっと、あたしと一緒にいような」




【パターンC】




「(ガチャッ…)

…ただいまーっと。

今日も飲んだ飲んだ。

飲み過ぎて腹いて―………

………って、あれー?いないのー?

おーい………?

………

………

………

ホントにいないみてだな―…。

ま、そのうち帰ってくんだろ」




「(ガチャッ…)

…あー、やっと家だ―………

あー、頭いて―………

おーい、みず―………

………

………

………

…あー、今日もいないのかー。

あれっ?そういやしばらく、あいつのこと見てねーなー。

………半年くらい見てないか?

ったく、どこ行っちまったんだよー。愛しの彼女置いてさ………

んー、普通に生きてりゃ、帰ってこないはずないもんな。

このあたしのところに、戻ってこないわけは、さ。

って、ことはー、帰ってこられない場所にいるわけで―…。

………んー?

つうことは、あれがああで…

あっ、そっかー。なるほどなるほど

ったく、ほんとにあいつはダメなやつ。

あたしが迎えに行かねーと、帰ってこられないってことだよな。

………

(ガラガラ…)

うわ、8階ってやっぱ高いなー。

地面すっげ―遠いし。

でも、ま。ここからならあいつのいるところに………

待ってろよ。すぐ、あたしが迎えに行くからさ。

寂しがって泣いてないだろうな…

じゃ、行くか。

あいつを迎えに、な。

(トンッ)」


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