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043 【ルートA】お酒好きでクズのヒモ女に別れ話を切り出したら…

「(ガチャ…)

…今帰ったぞー。

ひっく。

あ、とっとっと………

おーい、いないのか―?

…あ、いたいた。

ただいまー。

………んー?どのくらい飲んだかって―?

まずバー行ってー、そのあと居酒屋行ってー、んで飲み足りないから24時間のファミレス行ってー………

…ん、とりあえずまだ飲み足りないから酒持ってきてー。

………毎日飲み過ぎだって?

別にいいじゃん。あたしがいくら飲んだって―。

どうせあたしの体なんだしー。

そんなことより、お酒お酒―。

………え、別れる?

何言ってんだよ。おめーの方から告ってきたんだろうが―。

そんな冗談言うなよなー。

………冗談じゃない?

いやいや、別れるとかないだろ。

あたしはこーんなに、愛してんのにさー。

それなのに別れるとかおかしいじゃん。

今なら、ごめんなさいって言えば許して…

………は、マジな感じ?

え、ちょっと待って待って。

やだやだ。別れない別れない。

あたしにはお前しかいないんだって。

だからな?な?

考え直してくれって。

頼むよ、このとおり。

………

………

………

…は、出てくの?マジのマジで?

い、いや、ちょっとほんとに待てって!

出てくなよ、おーい………」




「………おっ。偶然じゃーん。

…って、まあ道の真ん中で待ってたら偶然も何もねーか。

いや、ここでお前を待ってたのはさ、お前にちょっと話が………

って、おい。

待てって。

まだ話は………」




「………ちゃんとあたしの話を聞けって!

…は?みんなが見てるって?

今お前とあたしが話してんだろ。他の奴らなんか関係ねーって。

…だから、あたしは別れたつもりもないんだって!

その話をしようって言ってるだけで…

………『職場には来るな』って。

でも、そうしないと話もしてくれねーし…

なあなあ。悪かったって。

あたしに悪いことあったなら直すからさ。

だから、だから、さ…

………って、おい、離せって。

あたしはまだこいつを話が…

おい。おい。おーい………」




「(ピンポーン)

………

………

………

(ピンポーン)

………

………

………

(ピンポーン)

(ピンポーン)

(ピンポーン)

(ダンダンダンダンッ!)

…おいっ。いるんだろ?今家にいるのはわかってるんだよ。

いるんならさっとドアを………

(…ガチャッ)

…やっと開いた…遅いんだよ。ドア開けるのがさ。

………え、ここの住所?

そんなの、いろんな奴らに聞きまくったに決まってんだろ。

お前の家族とか、職場のやつとか、そこら辺適当に。

とにかく入れてくれよ。

入れてくんねーと、今からここで大声で騒ぐかもよ?

………

ん、サンキュ。

じゃ。お邪魔しまーす。

………で、だ。

用件は何つーか、わかってると思うけど…

またあたしと一緒に暮らそうぜ、な?

あたしはお前と一緒にいるのが一番で、お前もあたしと一緒にいるのが一番いいんだって。

あたしら、あんだけ愛し合ってたんじゃねーかよ。

きっとこれは、何かが間違ってるだけでさ。

それを正そうって話だよ。

あたしはマジでお前がいないとダメんだよ。

お前がいないと生きていけねーし、お前がいないと暮らしていけねー。

お前が言うなら酒もたばこだって、これからやめるからさ。

だから、な。

こんなところでいないで、戻って来いって。なあ。

………

………

………

こんだけ言ってもダメなのかよ………

じゃ、しょうがねーな―。

…あ、見りゃわかるだろ?

服脱いでんだよ。今ここで。

もしここでさ、あたしが裸で出てって大声で叫んだらどうなると思う?

「襲われた」って言えば、完全にお前は加害者だよな。

さっきめちゃくちゃ扉叩いたし、隣の住人とかもぜってー気にしてんだろ。

戻ってこねーっつ―なら、マジで今からやってやるからな。

警察騒ぎにしたくなかったら、おとなしく観念して………

………あ?なんだよそれ?

(…ポチッ)

………

………え、あたしの声?

………まじかよ。声録ってたのかよ。

っち。しょうがねーなー。

これだけはやりたくなかったけど………

実力行使だ。

(バタッ)

今からお前を、あたしの愛でドロドロに溶かしてやる。

なんも考えられねーくらい。ぐっちゃぐっちゃのめっちゃめっちゃにぐつぐつ溶かしてやる。

あたしの愛をこれ以上なく伝えて伝えて、与え続けやる。

お前がやめろって言っても、止めずにいつまでもいつまでもな。

お前が悪いんだぞ。

お前が、往生際が悪いから。

…じゃ、始めようか。

これからあたしとお前の、愛の時間だ」

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