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263 毎日のようにかかってくる彼女からのTell。いつも他愛ない世間話を語りかけてくるが…

『(~~~♪)

(~~~♪)

(~~~♪)

(…ピッ)

…あっ、もしもし。もう起きたー?

いや、起きてないと電話取れないよね、うんうん。

でも、いくら1限ないからって、こんな時間まで寝てるのはどうかと思うな。

………それよりさー、昨日見た映画、すっごくおもしろかったよね。

中盤からクライマックスにかけてアクションシーン満載でさ、こう銃が【ダダダダダダダダダッ】って撃たれるシーンめちゃくちゃ迫力あったし、ヒロインとの恋愛も結構深くまで入り込んでて感情輸入しちゃったよ。

あの映画って、確か今回でシーズン3なんだよね?

だから昨日はあの映画見た後、家でシーズン1、2見ちゃった。

1はちょっと微妙だったけど、でも2は3を同じくらい、いやそれ以上にめちゃくちゃ面白かった。

よかったら君も見て見れば?

あ、いやもう見てるのか。昨日3見たってことは。

なら今度1と2の話もしようね。

約束だよー?

(…ピッ)』




『(~~~♪)

(~~~♪)

(~~~♪)

(…ピッ)

…ねえねえ、もう授業終わったよね?

あたしお腹空いちゃった。

君はこれから食堂でご飯?

どうせまーた、ラーメンチャーハンセットの大盛り頼むんでしょ。

君のことは何でもわかってるんだから。

そ・れ・よ・り。

さっきの授業、君爆睡してたよねー。

大教室で先生から見えないのをいいことに、グースカグースカ寝ちゃってさ。

私はちゃーんと、見てたぞ。

君の寝顔があまりにも可愛いから、思わず写真も撮っちゃった。

君のケータイにも送ってあげようか?

すっごく可愛い寝顔だからさ。

…でも、寝てたんだからノート取ってないよね?

あのね君、学校は授業を受けるために来てるんだよ。

それになのに居眠りするのはどうかと思うな。

まあ、今回は君の可愛い寝顔に免じて、取ってないところの範囲、ノート貸してあげるね。

私に感謝してよね。

(…ピッ)』




『(~~~♪)

(~~~♪)

(~~~♪)

(…ピッ)

………ああ、やっと出たやっと出た。

もう、電話コールしてるの気付かなかったー?

私何回も電話してたのに、君なかなか出てくれないから、ちょっと心配しちゃったよ―。

(ザワザワザワザワ)

あー、そっちのほうちょっとうるさいね。

でも、駅のホームだから仕方ないか。

ホームってことは、君は家に帰るところだよね。

今日も一日授業で、本当疲れたよね。

………あっ、そういえば君、今日のお昼は中華丼だったじゃん?

あれって本当美味しいよね。

君が食べてるのあまりにもおいしそうだから、明日は私も中華丼にしようかな。

…でもさ、いつもに比べて丼一杯って、食べる量少なかったんじゃない?

今日は君、朝も抜いてきてるのに、昼もあれだけじゃ、相当お腹減ってるでしょ。

また私が、君の家に何か持って行ってあげようか?

この前はお稲荷さん持ったけど、味どうだった?

君好みの味づけにしたから、ちゃんとおいしかったと思うけど。

…うーん、じゃあ今日は何持って行ってあげようかなー。

ねえねえ、君は何が食べたい?

………

………

………

………

………

………

………

………

………

………

―――ねえ、何が食べたいの?

………

………

………

…はあ。君っていっつもそうだよね。

私が何を言っても答えてはくれない。

一応電話に出てくれるだけましだけど、でも今だって、156回コールしないと出てくれなかった。

…というか、最近また君携帯変えたよね?

まあいつも通り番号はすぐ調べたんだけど、コロコロと変えるのはどうかと思うよ。

私は、君のことが大大大大大大大大大大好きなのに。

大好きだから、君のことをいっつも見ている。

大好きだから、君のことは何でも知りたい。

大好きだから、君が行く場所行くとこついていく。

君が何をしているか、君が何を食べているか、君が何を食べているか、私は全部知ってるよ?

でも、でもでも、こんなに大大大大大大大大大大好きなのに、君は全然これっぽっちも答えてくれない。

君は私が付いてきているのに気づいていても無視するし。

君に何かあげてもすぐに捨てちゃうし。

君へかける電話は全然喋ってくれない。

大好きなのに。大大好きなのに。大大大大大大大大大大好きなのに。

どうすれば、君の一番になることができるのかな?

………

…あっ、そうだ。いいこと思いついちゃった。

(ピッ…)

「………ねえ、私のこと、ちゃんと見ててね。

…【?】マークが浮かんでるね

ふふー、私が何をするか、まだわかってないよね。

君の一番になる方法。

君の心にずっと残り続ける方法。

私、それにぴったりの方法、思いついちゃった。

このままだと、君はきっと、いつか私のことを忘れちゃう。

私がどれだけストーカーしてても、いつかきっとそれが日常になって、忘れ去ってしまう。

でも、君にとって特別な存在になれば、君はいつまでもいつまでも、私のことを覚えててくれるよね?

(………)

あ、そろそろ電車来るころだね。

あー、もしかしたら、今日君、ちょっとだけ帰るの遅くなっちゃうかもしれないけど、でもそれは、自業自得ってことで。

だって、君が私の想いを受け取ってくれないのがいけないんだから。

…それじゃ、バイバーイ。

(タンッ)

(キキ――――――ッ!)

(ダンッ!)

(ドサッ)」

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