261 病気のボクをしっかりと看病してくれるお姉ちゃん。でもボクはそんなお姉ちゃんの側にはいたくなくて…
「(ガチャッ)
(バタン)
(パタパタパタパタ)
…ねえねえ大丈夫大丈夫ー?
倒れたって聞いてびっくりしちゃった。
心配だからお見舞いに来たよ。
…って、うわー。すごく辛そう。
顔が真っ赤で体もぶるぶるふるわせちゃって、大丈夫じゃない?
………そっかそっかー、辛いよね。
でも、お姉ちゃんが来たからにはもう大丈夫だからね。
君のこと、ちゃーんとお世話してあげるから。
………暑い?暑いの?
じゃあじゃあ、そんなお布団かぶってないで、はいじゃって………
うわっ、そんなに何枚も着込んでたら暑いのも当然だって。
その服、脱ぎ脱ぎしちゃいましょうねー。
………大丈夫大丈夫。
君は何もしなくていいから。
全部、お姉ちゃんがやってあげるからね」
「(トントントントン)
(ジャー)
(グツグツグツグツ)
………はーい、できたよー。
お姉ちゃん特製マル秘スペシャルおかゆ―。
…あっ、君はそのまま寝てていいよ。
お姉ちゃんがあーんして食べさせてあげるからね。
…ふー、ふー、ふー。
はい、あーん。
………
うーん?どうしたのー?口閉じたままだけど、大丈夫?
うーん、一応ちゃんと起きてるよね?
ねーねー。お姉ちゃんの声ちゃんと聞こえてるー?
………
…聞こえてる、か。
あっ、じゃあもしかして、おかゆとか食べられる気分じゃないとか?
………
…そっかそっか。
ごめんねー。お姉ちゃん、君の気も知らずに勝手に舞い上がっちゃって。
うんうん。そんなにしんどいなら、ご飯だって食べらないよねー。わかるわかる。
しばらく何も食べてないからお腹空いてるかと思ったけど、食欲ないのなら仕方ない仕方ない。
それじゃあこんなのは、ッポイ。
今はしっかりちゃーんと、寝てましょうねー。
ちゃんと寝れるまで、お姉ちゃんが添い寝してあげる。
………
…えー、君の風邪だったら、お姉ちゃんに移してくれてもいいのに。
でも、ありがとう。
君は優しいね。
いいこいいこ」
「………
………
………
………おっとっと。いけないいけない、寝ちゃってたか。
君の可愛い顔を見てたら、つい、うとうとしちゃった。
………
………
………
………うーん、こっちも寝てるっぽい、ね。
そっかそっかー。
っと、あわわ。大変大変。
君の服、汗でびっしょり。
これはちゃんと、キレイキレイにしないとね。
それじゃあ君をお姫様抱っこして。
お風呂場まで移動移動。
そしてそしてー、服を脱ぎ脱ぎ―。
そ・れ・か・ら。
(バシャバシャ)
水をかけて、キレイキレイっと。
(シャー、シャー)
水のシャワーで全身を隅々まで洗ってっと。
…あれー?君の体すっごいブルブルしてる。
もうちょっとだけ我慢だよー。
そうすればキレイキレイになるからねー。
(バシャバシャ)
(バシャバシャ)
(バシャバシャ)
(シャー、シャー)
(シャー、シャー)
(シャー、シャー)
…よーっし、これでキレイになった。
………うーんと、拭くのはいっか。
このまま新しい服に着せちゃおっと。
ちゃっちゃっちゃん!
よーし、これで大丈夫だねー。
もう一回お姫様抱っこして、お布団お布団。
………掛布団は、まあいっか。
さっき暑いって言ってたしねー。
~~~♪
…あれー、どうかしたのかな?
すっごくすっごく体ぶるぶるしてるけど。
うーん………
うーん……
うーん…
まっ、いいや。
このままずーっとずーっと、病気でい続けてくれたら、その分ずーっとずーっと、お姉ちゃんがそばにいてあげられる。
普段はなぜがいやいやして近付いてこない子だけど、病気のままならお姉ちゃんをいやいやしたりしない。
君が病気の間中はずーっと、お姉ちゃんが面倒をみてあげられる。
………
…うーん、苦しそうだけど、でも可愛い顔。
そんな可愛い可愛い君の顔を見られて、お姉ちゃんとっても幸せだなー」