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239 お菓子の家に住むお姉さんがかけてくれる魔法はどんなお菓子もとびっきりおいしくしてくれる

「(バタン)

あっ、君また来てくれたんだ!

もちろんもちろん大歓迎だよ。

壁はチョコレート、扉はビスケット、屋根はアップルパイのお菓子の家。

お菓子を食べてくれる子供は大歓迎だから。

今日の君は何が食べたいのかな?

君がおいしいって思えるように、魔法をかけてあげる。

おいしくな~れ、おいしくな~れ、おいしくな~れ。

はいっ!

さあ、どうぞ。

召し上がれ」




「(バタン)

…今日も来てくれたんだ。

最近は毎日毎日遊びに来てくれるよね。

私、とっても嬉しいな。

………お菓子がおいしいから?

そう言われるとますます嬉しくなっちゃう。

何でも、どんなお菓子でも、いくらでも食べていいからね。

…あっ、待って。

おいしくなる魔法をかけてあげる。

おいしくな~れ、おいしくな~れ、おいしくな~れ。

はいっ!

ささ、どうぞどうぞ。

(パクパクモグモグ)

(パクパクモグモグ)

………フフッ、君は本当に本当においしそうに食べてくれるね。

そんなにおいしそうに食べてくれるの、君くらいだよ。

………そうそう、そうなの。

最近の子は、食べてもおいしいって言ってくれないの、笑顔になってくれないの。

それにそれに、お菓子自体を食べに来る子も少なくなっちゃって。

私、それがとても悲しいんだ。

町の人達は私のことを魔女だなんだって言って、嫌われてるみたいだし。

だから、君みたいな子が来てくれるのはとってもとっても嬉しいんだ。

………そう?そう?

君は毎日来てくれるの?

私、それはとってもとっても嬉しいな」




「(パクパクモグモグ)

(パクパクモグモグ)

…もう、そんなに食べてくれて、私、嬉しい。

でも大丈夫?

君は家に帰らずにずっとずっとお菓子を食べてるけど、お母さんとかに心配されない?

………そっかそっか。

君のお母さんはお菓子を食べさせてくれないんだ。

それだったら、ここのお菓子をうーんとうーんと食べてね。

…あ、うん。そろそろ魔法をかけておかなくちゃね。

おいしくな~れ、おいしくな~れ、おいしくな~れ。

はいっ!

まだまだいっぱいいっぱいあるから、たくさん食べて食べて。

(パクパクモグモグ)

(パクパクモグモグ)

………

君はおいしそうにお菓子を食べる。

私はそんな君を見ている。

私、それはとってもとっても幸せ。

私のお菓子はとってもおいしい。

とってもとっても甘くて甘くておいしい。

でも、おいしさの秘訣はそれだけじゃないんだよ?

おいしいおいしいっていう私の魔法。

私が魔法をかけているから、私のお菓子はとってもとってもおいしくなるの。

他のものを食べたくならないくらいに、とってもとってもおいしいお菓子になるの。

1つ食べたくらいじゃその魔法はすぐに消えちゃうけれど、何個も何個も食べてる君は、私は魔法が染みついちゃってるの。

君は、私のお菓子をとってもとってもおいしく食べてくれる。

君は、私のお菓子だけをとってもとってもおいしく食べてくれる。

君は、他の食べ物がいらないくらい私のお菓子だけをとってもとってもおいしく食べてくれる。

私、それはとってもとっても嬉しくて、幸せなんだ。

(パクパクモグモグ)

(パクパクモグモグ)

…あ、うん。

まだまだまだまだ、お代わりはたくさんたくさんあるからね。

いっぱいいっぱい、私のおいしいお菓子を食べてね。

おいしくな~れ、おいしくな~れ、おいしくな~れ。

はいっ!

い~っぱいい~っぱい、召し上がれ♪」

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