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233 テストの時間です。さんざん悩んで答えをひねり出したボクのテスト結果に先生彼女は…

「………それじゃ、これからテストを始めます。

筆記用具はちゃんと準備できてすか?

シャーペンの芯はちゃんと入ってますか?

消しゴムはちゃんと新しいのを用意していますか?

………では、準備万端ですね。

制限時間は60分。

それでは、テストはじめっ!

………

………

………

………

………

最初にまずは名前をちゃんと書いてください。

ちゃんと名前が書いてないと、0点になりますから。

………

………

………

………

………

物を落とした時はちゃんと手を挙げてください。

自分では拾わないように。

自分で拾ったら、カンニングを疑っちゃいますよ。

………

………

………

………

………

問題文は必ずちゃんと読みましょう。

問題文をしっかりと読めば、きちんと答えがわかるはずですから。

………

………

………

………

………

何かわからないところがあったら聞いてくださいね。

答えは教えませんけど、答えられる範囲で答えてあげます。

………

………

………

………

………

解く順番はきちんと考えましょう。

わかりやすい問題を先に解いておくと後が楽になりますよ。

………

………

………

………

………

後半もしっかり集中しましょう。

朝ごはんを食べてなかったらなんて言い訳、聞きませんからね。

………

………

………

………

………

説き終わった後もちゃんと答えを見直しましょう。

ケアレスミスで減点になるのはもったないですよ。

………

………

………

………

………

さあ、ラストスパートです。

解けてない問題があっても、とりあえず答えを書きましょう。

空欄は絶対に点数になりませんが、何か書いてあれば加点される可能性もなくはないですから。

………

………

………

………

………

…5、4、3、2、1。

はい、やめっ。ペンを置いてください。

これから回収していきます。

(ペラ)

…はい、確かに。

では、ちょっと待っててくださいね。

すぐに採点しちゃいますから。

(シュッ、シュッ、シュッ、シュッ)

………採点終わりました。

…はい、これが君の点数です。

44点。

何ですかこの点数は?

どうしてこんな点数しか取れないんですか?

こんな、こんな………


全部、私についての問題なのに!


まず、これ、私の身長体重。

私の身長体重くらい、あなただったら知ってもおかしくないのに、どうしてこんな簡単な問題を間違えるんですか。

それに好きな食べ物と嫌いな食べ物、何回も一緒に食事をとってるのに、一つもわからないなんてどうかしてます。

………誕生日は当然の当然です!

まあ、前のテストで私のフルネームを漢字で書けなかったことに比べれば、まだマシとはいえるかもしれませんが…

…名前が書けなかったら0点ですよ、そりゃあ。いくら他の問題ができてたとしても。当たり前です。

………しかしこの記念日に関する問題が全滅とはどういうことですか。

私とあなたとの記念日なんですよ。

私は全部が全部、覚えてるというのに、それを全て間違えるなんて、ありえないです。

………え?

『初めて遊園地デートに行った記念日』

『初めてカフェでコーヒーを飲んだ記念日』

『初めて水着を買いに行った記念日』

その問題がどうかしましたか?

もちろん私は覚えてます。じゃなきゃ問題にできないんですから。

それで、最後の設問も×ばっかり。

一週間前に話した会話の内容とか、先日の寝る前のメールのやり取りとか、今朝の挨拶の言葉とか、それくらいはわかるでしょう。

どうしてこんな簡単な問題もわからないんですか?

………私?

私はもちろん覚えてますよ。

あなたとの一挙手一投足。

行った場所、会話、動作仕草はすべて覚えています。

愛しい愛しいあなたのことなんですから、当然です。

だからこそ、あなたも私のことをすべて理解していなければいけないんです。

私が愛をもってあなたのことを知り尽くしているように、あなたも愛をもって私のことを理解する。

それでこそ、対等な恋人同士といるものですから。

………しかしまあ44点とは…

まだ、私への愛が足りないという言うんですね。

これからはもっともっと、四六時中私のことを勉強してください。

愛をもってして、私のことを理解してください。

今日はこの後補習ですから。

覚悟しておいてくださいね。

今日、ベッドで瞼を閉じれるという期待は、しない方がいいですよ」

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