表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/271

219 3つの願いを叶えてくれるランプの精霊に願いを叶えてもらったら恋人ができて幸せになることができました

「(キュッキュッキュッ)

(モクモクモクモク)

…フォッフォッフォッ。

あなたの願いを何でも叶えてしんぜよう。

あなたは何がお望みかな?

………恋人が欲しい?

…うんうん。運命の相手を望むとは実に人間らしくて良きかな良きかな。

それで、他にはどんな願いをあなたは望む?

………私か?

私はそのランプに宿った精霊だ。

あなたがそのランプを手にしたことで、あなたが新しい主人となり、あなたの願いを3つまで叶える。

そういう存在だ。

…にして、あなたは残り2つ、どんな願いを叶えたい?

………幸せになりたい。

…フォッフォッフォッ。

実に抽象的だが、人においては最大限の望みともいえる。

やれ今までの主人は金が欲しいだの地位が欲しいだのと汚い欲望にまみれた願いであったが、あなたは清らかな心をお持ちのようだ。

そんな人間の願いを叶える事こそが、ランプの精霊冥利に尽きるというもの。

まあ、もちろん、どんな願いにもかかわらず私は人のどんな願いも叶えることができる。

だから3つ目の願いにどんな黒い願望を望もうとも、それは主人の勝手なのだがな。

………願いを叶えた後?

3つの願いを叶えた後、私は再びランプの中で眠りをつくのさ。

次の主人に起こされるまで、100年先か1000年先か、その間ずっとランプの中だ。

起きては人の願いを叶えて眠りにつき、次の願いを叶えたら悠久の時を寝て過ごす。

それを何百、何千回を繰り返してきたのがこの私である。

まあ、最近はそれに少しは疲れてきたというものだがな。

知っているか?

寝ているだけというのも意外に退屈というものなのだよ。

…とと、こんな愚痴をほざいている場合ではないな。

さてさて、あなたは私に3つ目の願いとしてに何を望む?

私ならどんな願いも叶えてしんぜよう。

………

………ん?

なんだ、聞き間違いかな?

もう一度言ってくれないか?

………私をランプの呪縛から解放したい?

………ふむふむ?それがあなたの願いなのかな?

確かに私はその願いも叶えられる。

だがその願いは、あなたの望むものではないんじゃないのかな?

金でも愛でも名誉でも、あなたの願いを実現できるこの私をランプから解放して、どうする?

………どうもしない、と。

…フォッフォッフォッ。

どうもしないとは実に嘲笑ものだ。

あなたの脳みその中をのぞいてみたいものだ。

だが、私は人のどんな願いも叶えるランプの精霊。

だから、あなたの願いを3つ、叶えてしんぜよう。


恋人が欲しい。


幸せになりたい。


私をランプの呪縛から解放したい。


ではでは、その願いを叶えよう。

(パチン)

………

………

………

…ふう、これであなたの願いは叶った。

………ああ、叶えたとも、あなたの3つの願いを。

まず私は、そのランプの呪縛から解放された。

だから叶えた今でもこうしてあなたの目の前にいる。

そして、あなたには恋人ができた。

私という恋人が。

あなたは私をランプの呪縛から解放してくれた御神様。

故に、あなたの恋人としてこの先の生涯を共にしよう。

最後に、幸せになりたいという願いは、これから私とともに、幸せな人生を歩んでいこうではないか。

私はどんな願いも叶えるランプの………いやいや、もうランプの精霊ではないか。

私はあなたという存在を幸せにする、ただ一人の恋人。

元、ランプの精霊の力にのっとり、あなたの恋人になり、あなたを幸せにして見せよう。

………おやおや、どこに行こうというのかな?

言っておくが、ランプの精霊の力は絶対である。

ゆめゆめ、あなたが幸せになることは絶対で、あなたが私という恋人と一緒になることは運命として決定づけられているのだから。

これからは共に歩んでいこう。

二人で共に、その生涯を」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
どこへ行こう言うのかね?(ム○カ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ