021 良い子の下にやってきたサンタクロースが持ってきたとっておきのプレゼントとは…
「ほーほーほー!
メリークリスマス!」
「(ゴソゴソ…)
キャッ!(ドンッ!)
いたたたた……
うー、エントツから落ちちゃったー…
今日これで何度目だろう………
って、いけないいけない、そんなことよりも早く…
………あ。
あー、えーと、その―……
にゃーん。猫ちゃんですよー
………
………
………
いやいや、さすがに無理か。
………コホン。
…えーと、こんばんわー。
こんな夜中にいきなり現れてびっくりしたと思うけど、アヤしいものじゃないんで。
ほら私、見ての通りサンタクロースです。
今年も、君にプレゼントを届けに来たんだよ。
………え、毎年ボクの両親が用意してくれてたんじゃないかって?
いやいや、それはウソなの。サンクロースを信じないわるーいこ達が、でっち上げて広めた嘘なの。
毎年毎年、ちゃんといい子にしていたみんなに、私がプレゼントを届けてあげてるんだよ。
君は今年もちゃんといい子にしてたからね。
だから私がプレゼントを持ってきたんだ。
今年の君へのプレゼントは………じゃーん!
………
…え?何も持ってないじゃないかって?
だーかーらー。今年のプレゼントは、ゲームとかおもちゃじゃなくて…
この『私』、だよ。
君、サンタクロースへの手紙に書いてくれてたよね。
「カワイイ女の子が欲しい」って。
多分、周りの友達のエイキョーを受けて、かな?
君の友達はみーんな恋人がいて、仲よさげに楽しそうにすごしていたもんね。
それで、こんなこと書いたんだよね?
だからその願いどおり、今年のプレゼントは私なの。
私が君のカワイイ彼女になってあげる!
…ああ、でもね。私がサンタクロースで、君にプレゼントをあげるためだけに、こんなことを言ってるんじゃないよ。
毎年ね、私はここにプレゼントを届けに来てたの。
その度に、すやすや眠る君のことがかわいいなって思てたんだ。
あまりにかわいくて、2年前にはほっぺたぷにぷになんかもしちゃったりして…
ああああああ、でもでもでもでも、それ以上変なことはしてないからお願い信じてください!
………コホン。
1年に一度きりしか会えないけど、君に会えない間も、ずっと君のことを考えてたんだ。
『君は今ごろ何しているんだろう』とか。
『今年もちゃんといい子にしているかな』とか。
ずっとずっと、クリスマスが来るまで待ち遠しかったんだ。
そんなヤサキに、君の手紙にあんなことが書いてあったから、もうワタりにフネだよ。
いや、トナカイにソリだね。
私が君へのプレゼントになって、これからはずっとそばにいてあげる。
カワイイ女の子として、片時もはなれないよ。
クリスマスはちょっと出かけちゃうけど、それ以外はずーと一緒。
サンタクロースからのプレゼント、きちんと受け取ってね?」