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019 男よりも強いヤンキー娘のペットになったら独占欲が強かった

「おーいワン公。ちょっと腹減ったから、パン買って来いよ。

…あー、はいはいはい、お金なら後でちゃんとやるから。

でも腹減ってて今にも死にそうなんだって。

だからダッシュで行って来い。

3分以内なー。

………

………

………

お、戻ってきたか。

ちゃんと3分以内じゃん。えらいえらい。

俺のペットやってて走るの早くなったんじゃねーの?

いや、犬だから足が速いのは当たり前か。

とりあえず袋よこせよ。

どれどれ………(ガサガサ…)

て………なんだよこれ?

いやそりゃ、焼きそばパンだっつーのは見てわかるっつーの。

俺が聞いてんのは、どうして焼きそばパンなんか買って来てんだってことだよ。

今日の俺は甘いものの気分なの。

こんなソースベッタベタの炭水化物の塊なんかか食いたくねーんだよ。

…は?気分なんてわかるわけない?

何口答えしたんだよ、ワン公が。

ご主人様の気分なんか、言わなくてもちゃんとわかってろっつーの。

…とにかく、もっかい行って来い。

今度はちゃんと、甘いもん買って来いよ。

ほらほら、ダッシュダッシュ。

2分以内で戻ってこなかったら、どうなるかわかってんだろうな?

ぐずぐずすんな。はい、よーい、ドン!(パン!)」




「………

おい、ワン公。ちょっとそこに立て。

気を付けだ気を付け。

それともなんだ。犬みたいにお座りの方がいいのか?あ?

…で、どういうことだよ。なんで今日はこんなに遅れたんだ?

俺が呼び出してから30分はかかってんじゃねーか。

この俺が呼び出したんだから、呼んだらすぐ来いっつーの。

ここに来る前に一体どこほっつき歩いてたんだよ、ワン公?

言い訳くらいなら聞いてやるよ。

………

はぁ?他の奴らに捕まってた?

他の奴らって………ああ、上のクラスのちょっと調子乗ってる奴らか。

で?

………いや、だから、それがどうかしたのかっつーんだよ。

…もっかい言うぞ、この俺が呼び出してんだから、お前は真っ先に俺のところにくりゃいいんだよ。

何他の奴らに捕まってんだ。

お前は俺のペットで、犬だ。

ご主人様以外に付いていくんじゃねーよ。

………ちっ。

どうやらバカ犬には躾が必要みてーだな。

俺の犬だってこと、その体に身をもってわからせてやる」




「(タンタンタンタンタンタンタンタン)

(タンタンタンタンタンタンタンタン)

(タンタンタンタンタンタンタンタン)

………何やってんだよ。ワン公が。

あー、イライラする。

昨日ちゃんとわからせてやったのに、その翌日でまた遅刻って、この俺をなめてんのかアイツは?

(タンタンタンタンタンタンタンタン)

(タンタンタンタンタンタンタンタン)

(タンタンタンタンタンタンタンタン)

……くそっ。しゃーねーなー。

ワン公…見つけたらぜって―お仕置きしてやる。

………

………

………

…あ、いやがった。

…ったく、こんなところほっつき歩いてんならさっさと………って、あ?

アイツら、ワン公が昨日言ってた……

また捕まってんのかよアイツは。

………

おい、お前ら。俺のワン公とそこで何してんだ?

は?『こいつを俺らの奴隷する』?

あん?何言ってんだお前。

『お前の犬より、俺達の奴隷になりたいって言ってる』?

ああ?ワン公がそう言ったっつーのか?

おい、どうなんだよワン公?

………

だんまりすんなよ、俺のワン公のくせに。

…おい、とにかくそいつは俺のもんだ。お前らのじゃねーんだから、今すぐ返せ。

………

返す気がねーって顔だな。

じゃあいいぜ、力ずくで取り返してやるよ。

(パキパキ、パキパキ、パキパキ)

『お前一人でこの人数に勝てるはずない』って?

おいおい、この俺も随分となめられたもんだな。

この俺にたてついたこと、すぐに後悔させてやるよ。

今更謝ったって、もう許してやんねーぞ。

………

………

………

………

………

ふー。(パッパッパッ)

大したことねーやつら。

弱いやつらが束になったところで、ただの雑魚集団だっつーの。

………おい、ワン公、そろそろ行くぞ。

いつまでも突っ立ってんじゃねーよ、バカ犬。

は?『助けてくれてありがとう』だ?

バカかお前、何言ってんだよ。

俺は、自分のペット取り返しただけだっつーの。

自分のもんをただ取り返して、礼なんか言われる筋合いなんかねーって。

むしろ、あんな奴らにホイホイついてったこと謝れよ。(ガシッ)

…いいか、お前はよくわかってねーみてーだから。何回でも言ってやる。

俺はお前のペットで、犬だ。

お前のリードを握っていいのは、俺だけだ。

他の奴らなんかに尻尾なんかふるな。

エサを目の前にしたって、俺のところにちゃんと戻って来い。

お前は一生、俺の犬なんだからな」


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