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015 依存性の高い同級生。彼がそばにいてくれないことがわかると、自傷行為を繰り返して…

「ねえ、お願い。行かないで。

君が一緒じゃないと、私ダメなの。

君とデートに行ったり、ご飯食べたり、おしゃべりしている時間はとっても楽しいけど、でもね。

とっても楽しいからこそ、いつかそれが失われるんじゃないかって、すっごくすっごく不安になるの。

君と一緒で楽しければ楽しいほど、どんどん不安になっていって…君と一緒にいても不安がなくならないの。

君がどんなにやさしい言葉をかけてくれも、

君がどんなにやさしく接してくれても、

頭の中がぐるぐるってなって、いてもたってもいられなくなるんだ。

走り出したいけど、どこに走ればいいのかわからない………

だから、君が他の女の子と一緒なのはダメなの。

他の女の子と一緒に話したり、

他の女の子と手をつないだり、

他の女の子を見ているだけでダメなの。

私が私でなくなっちゃうような、空気みたいに透明になっちゃうような、どこにも存在しないような、そんな感覚なの。

だから、ねえ、お願い。

他の女の子と付き合わないで。

告白されても断って私と一緒にいて。

君の隣にいていいのは私だけなの。

君のそばにいていいのは私しかいないの。

そうじゃなかったら、私、私………

(チキチキチキチキ…)

カッターで、このカッターで、カッターの刃で…

消えたい」




「ねえ、行かないでよ。

私と一緒にいてくれるって、君は言ってくれたよね。

ずっと私と一緒にいるって。

どんな時も離れないって、約束してくれたよね。

なのにどうして約束を破るの?

きちんと約束が守れないの?

噓つきだったの?

………『先生に呼ばれたからしょうがない』?

なんで?

何がしょうがないの?

先生に呼ばれたからって、私が君に付いていけばいい話でしょ。

君が行くならどこにだって私はついていく。

一生君についていって離れないって、何度も何度も私、言ってるよね。

あー、あー、あー、あー。

君は私に噓吐くんだ。嘘つきなんだ。でたらめ言うんだ。嘘八百言うんだ。

君のことが信用できない君のことが信用できない君のことが信用できない。

もう生きていたくないもう生きていたくないもう生きていたくない。

(ギュッ)

じゃあもういいよ。このまま首絞めてこの世からいなくなっちゃうから。

君のせいだから」




「ねえ…もう、どこにも行かないで…

…もう、君は、私と一緒にいてくれないんだよね。

いくら一緒にいるって言っても、君は離れてしまうし。

いくら一緒にいたいって言っても、いつでも君はそばにいてくれないし。

最近じゃもう、一緒にいる時間の方が少なくなっちゃったよね。

君は私を避けるし、

君は私を突き放すし、

君は私から離れようとするし、

君は私から逃げようとするし、

私が追いかけても追いかけても、

君はずっと逃げ続けてしまう…

私のことなんて、もうどうでもいいの?

すぐに自分の体を傷つけようとする女なんて、面倒くさいの?

愛が重たい人は嫌なの?

………

…そっか。

答えては、くれないんだ。

ううん、わかってるんだよ。

君の気持ちも。君の心も。君の思いも。

ぜんぶぜーんぶ、わかってるんだよ。

私なんかとは一緒にいたくないって。

面倒くさい人なんて面倒くさいんだって。

私のことなんて、どうでもいいんだって。

わかってる…わかってるもん………

『行かないで』って言っても、君はどこか行っちゃうんだよね。

『離れないで』って言っても、君は離れていっちゃうんだよね。

なら、もういいよそれで。

一緒にいてくれない君なんて、もう、いらない。

私の好きな君じゃない君は、もう知らない。

私は、私が好きな君と、ずっとずっと、一緒にいるから。

私が何も言わなくても、そばにいてくれる君と。

(………タン)

だから、こんな高いことろにいても、地面がすっごく遠くに見えても、怖くなんかない。

君が一緒にいてくれれば、それだけで、何もかもが満たされるから。

じゃあ、これっきりだね。

私の好きじゃない君とは、これでおさらば。

バイバイ。

(タンッ)」


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