120 寝起きの彼女とイチャイチャイチャイチャする布団から出られない
「…ふわあ………
…ん。ねむいー…
………おーい、起きてるー?
………
…まだ寝てる。
かわいい寝顔。
心地よさそうに、寝てる。
…あ、よだれ垂れてる。かわいい。
かわいいなあ。
かわいい。
…多分、まだ起きないよね?
(つんつん)
うわー、ほっぺたぷにぷにだー。
やわらかーい。
(つんつん)
(つんつん)
(つんつん)
あー、いつまでも触りたくなってくる。
………あ、動いた。
でも、まだ起きてない?
なら、今度は…
(ふー)
身じろぎした。
耳、弱いのかな?
(ふー)
(ふー)
(ふー)
………
…あ。おはおはー。
え、何って。
ちょっとイタズラしてた。
………えー、いいじゃん。
別に、そこまで変なことしてないし。
彼女のちょっとしたイタズラくらい、許してよー。
…ありがと。
………あ、もう、起きちゃうの?
そっかー………
………
…ううん。なんでもない。
…うん。うん。うん。
がんばってねー。
………
………
………
もうちょっと、イチャイチャしたかった…」
「………あ、おはよー。
…え、ううん。私も今起きたとこ―。
あれ。まだなんか寝ぼけてる?
あー、そういえば。昨日夜遅くまでパソコンカタカタやってたもんねー。
だから寝ぼけてるんだ。
…おーい、おーい、おーい。
そんなに寝ぼけてるんなら…こうだっ!
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
へっへー。どうだどうだー?こちょこちょの刑は?
………え、何?そのワシワシした手は。
…あ、まさか………
(こちょこちょこちょこちょ)
あははははははっ!
(こちょこちょこちょこちょ)
いや、ゴメンゴメンっ!
(こちょこちょこちょこちょ)
ちょ、ちょっと、もう無理、ごめんだってば!
………はー、はー、はー。
………ふっふっふ。
君がそう来るんだったら、私だって…おりゃ!
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
え、あ、いや、やめて!
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
お返しだこらー!
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
ちょ、ちょっとそこは!
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
(こちょこちょこちょこちょ)
………
ゼー、ハー、ゼー、ハー、ゼー、ハー…
あー、朝から笑ったー………
でも、たまにはこういうのもいいよね。
………
…えー、いいじゃん。そっちだって、彼女とイチャイチャうれしいでしょー。
………うん、わかればよろしい。
(スタッ)
………えっ?って、あれ?
確か今日、休みの日のはずじゃあ…
………え、休日出勤?
…えー。今日は君と一日中イチャイチャするつもりだったのに………
ねえねえ、休日まで働かなくてもいいじゃん。
今日はこの部屋で、まーったり彼女と………
………そっか。
…うん。うん。うん。
行ってらっしゃい。
………
………
………
働いてお金を稼いでくるよりも、君と一緒の方がいいのに………」
「(ぎゅー)
(ぎゅー)
(ぎゅー)
………ん、起きたの?
…なにって、抱き着いてるんだよ?
このほんのりとした温かさっていうか、この硬すぎず柔らかくない感触っていうか、すっぽり収まるサイズ感というか、抱き心地が最高なんだもん。
(ぎゅー)
…えー、そんなに暑くないでしょ?
もうちょっと、このままで…
………
………
………
…んー、さいこー。
ずっと、このままでいてもいいくらい。
雲の上っていうか、ふわふわのソファーの上っていうか。
なんか、安心する。
そっちは、そう思わない?
…そっかー、やっぱりそうだよねー。
………ごくらく、ごくらく………
………
………
………
…えー、お仕事ー?
………ヤダ。
(ぎゅー)
ヤダヤダヤダヤダヤダ。
(ぎゅー)
(ぎゅー)
(ぎゅー)
………
…だってー、君っていっつもそればっかじゃん。
朝起きたらすぐ会社行ってー、夜遅く帰ってきたらご飯食べてすぐ寝ちゃう。
朝のこの時間しか、君と一緒にいられないんだもん。
………
………
………
…ねえねえ。もう、仕事行かないでよ。
………
…またそれ?私達の生活のためにーってやつ?
…うーん。だけどさー、
レストランですっごい美味しいもの食べるよりも、君と一緒に一個のカップラーメン食べさせあう方がいい。
庭付きの広い豪邸に住むよりも、ぼろぼろのアパートで君と一緒に狭いワンルームの部屋で暮らす方がいい。
かわいくておしゃれなお洋服着るよりも、君とお揃いののだぼっだぼっのジャージを着まわす方がいい。
すっごい美味しいものより、君と食べるご飯の方が美味しい。
広くて誰もいないがらんどうの場所より、狭くても君の隣にいたい。
雑誌に載ってるおしゃれな服より、君の匂いがする服を着たい。
だからさー、お仕事なんか行かずに、ここでずっと一緒にいて?
君がお仕事に行くよりも、君と一緒にいられる方が、幸せなの。
君が外でお金を稼いでくるよりも、君に抱き着いてる方が安心するの。
どこにも行かないで、ここでずっとずっとイチャイチャしてよ?
お願い。
お願い。
お願い………
…えっ。いいの?
ふふっ。
(ぎゅー)
………大好き」