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012 告白を失敗し続ける彼を慰める冴えない彼女の真意は…

「コク、ハク………?

告白、するの?

誰に?

………ああ、生徒会長さん。

そうだよね。あんな美人さんで、勉強もできて、スポーツも万能………

好きになっちゃうのも当然だよね。

…これまで、話したこととかあるの?

………

ふーん…文化祭の時。

廊下ですれ違った時に、財布落としたのを拾ってくれたんだ。

その時見せてくれた笑顔に、ね…

それで、いつ告白するの?

………

今日の、放課後……

生徒会長、急な話によく応じてくれたね。

………うん、うん。

頑張ってね」




「………

で、どうだったの?告白。

………

ああ、フラれちゃったんだ。

どう言われて、フラれたの?

『今は勉強一筋』か……

うーん…でも、それってウソなんじゃないかな。

だって生徒会長、他に付き合ってる人がいるって、噂だし。

確か、バスケ部のキャプテンの人、だったような………

………うん、うん。

私、いつも教室で本読んでるから、他の人の話、結構聞こえてくるんだよね。

いつも、いろいろと、ね。

………

大丈夫だよ。君のいいところ、私いっぱい知ってるから。

私だけは、君のことをわかってあげられるから。

だから、君の魅力を知らない生徒会長にフラれても、仕方ないよ。

落ち込まないで。元気出して。

私なら、いつでもそばにいてあげるから」




「…また、告白?

今度は、誰に?

………転校生に、か。

確かあの人って、芸能事務所に入ってるとかで、テレビにも何回か出たことあるって、話だよね。

雑誌にも載ったことがあるらしいよ。

あんな美人さんだもん、それも当然、かな。

…でも、本当に、告白するの?

これまでいろんな人に何回も告白してはフラれてるけど、全部失敗しちゃってるのに。

『好きになったんだからしょうがない』ね。

…うん、そうだね。好きになっちゃったら、しょうがないよね。

頑張ってね。

私は、陰ながら応援してるから」




「また、フラれちゃったんだ……

仕方ないんじゃないかな。まだあの人、転校してちょっとだし。

いきなり告白とかされても、困っちゃったんじゃないかな…

………

でも、これで何人目だっけ?

委員長に、幼なじみに、水泳部の人に、ギャルに、お嬢様に、先生に。

みんな、色々魅力ある人で、美人さんばかり。

………

…ねえ。

君にはどの人も、『高嶺の花』だったんじゃないかな。

君は、勉強もそこそこだし、容姿も普通だし、スポーツもあまり得意じゃない。

私が言うのもなんだけど、冴えない男子である君が告白しても、OKなんて、普通はもらえないんじゃないかな………?

………うん、君とは釣り合わないよ、たぶん。

たとえ告白して、OKもらったとしても、ああいう人たちって、そもそも住む世界が違うんだし。

頑張って付き合っても、いつか疲れちゃうと思うよ。

君には、

君みたいな人には、どこにでもいるような、平凡で魅力のない人の方が、ぴったりだと、思うな。

………

私は、あの人達みたいに美人じゃないし、取柄なんて何にもない。

友達も多くないし、勉強だって下の方。

でも、私は、君のいいところなら、たくさん知ってる。

君のひたむきのところとか。気付かれないようなさりげないやさしさとか。

私は、いっぱいいっぱい、知ってるよ。

他の人が知らないような、君のすごいところを。

だから、ね。

私くらいが、ちょうどいいと思うよ。

君には、こんな冴えない私くらいが、ぴったりだよ。

私に、してみない?」


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