表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/269

116 『パターンB』友人が催眠術をかけてきたのでかかったふりをしてみた

「………んー?

そうだね。つまんないね。

………え、面白いこと?

そうだなー…

あ、そうだ。こないだテレビでやってたんだけど…

じゃーん。

今からこれで、君に催眠術をかけます。

………ベタって、ベタだからみんなこれでやってるんでしょ?

じゃあ行くよ。まずは…

君はだんだん眠くなる。

君はだんだん眠くなる。

君はだんだん眠くなる。

そして目を閉じたら、私の言うとおりにする。

………

………

………

君は今から犬です。

「ワン」と鳴きましょう。

………本当に「ワン」って言った。

じゃあじゃあ、三回回ってお手。

………おおー。本当に回ってお手した。

なら次はどうしようかな…

………うん。

はい、人間に戻って。

人間の君は、だんだん私のことが好きになる。

だんだん私のことが好きになる。

だんだん私のことが好きになる。

………

………

………

はい、じゃあ今君は、私のどんなところが好きなのかな?

………うんうん。

………えー。

………もう、照れるな。

催眠術ってすごいなー。

じゃあ君は、大好きな私の言うことなら、何でも聞いてくれる?

………そっか、そっかそっか。何でも聞いてくれるんだね。

…はい。ならこれを首に付けて?

………首輪ちゃんと付けれたねー。えらいえらい。

それで、次はこれ。

婚姻届け。

これに、君の名前を書いて、ハンコを押して。

………

…ん?どうしたの?

早く名前とハンコお願い。

サインして、ここにハンコを押すだけだよ?

簡単でしょ?

………

…かかったフリ?演技?わざと?

………

………

………

…もう、何言ってるの?

君は今、催眠術にかかってて、私のことが好きになってて、私の言うことは何でも聞いてくれるの。

催眠術でそういう風になってるんだよ?

催眠術ってそういうものなんだからさ。

………

………

………

ねえ、早く書いてって言ってるの。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

ねえ。

か・い・て・よ。

………

もう、しょうがないな、言うこと聞けないなら…それっ。

ふふっ。首輪のリード引っ張っちゃった。

逃げようとしても無駄だよ。

このひも、大型犬でも絶対逃げられないくらい頑丈なやつだから。

私がこっち持ってる限り、君は私の元から離れられないんだよ?

ほら、ペン。書いて書いて―。

………

よしっ。ちゃーんと書けたね。えらいえらい。

じゃあこのまま、私のお家に行こっか?

………なんでってそりゃあ、一緒に住むために決まってるじゃん。

結婚したら一緒に住むのは普通でしょ?

こういう時のために、君の部屋は用意してあるんだ。

部屋っていうか、犬小屋だけどね。

今の君にはピッタリだよね?

………これからはずーっと、君と一緒にいられるんだー。

今からワクワクしてきちゃう。

君にご飯あげて。

散歩に行って。

寝る時にギュ―っとする。

あーんなことやこーんなことも一緒にしようねー。

それじゃ、行こっか?

これから私達が住む、お家にさ」






『パターンC』




「………ふわぁ。

うん。つまんないねー。

………えー、急にそんなこと言われてもな。

うーん。あっ。

じゃあ、催眠術君にかけてあげる。

………

…えっ。やらない?

もう、君がふってきたくせにー。

………んー、なら。これ。

ちょっーとだけ、じっとしててね。

縄でぐるぐるぐるぐる。

縄でぐるぐるぐるぐる

縄でぐるぐるぐるぐる。

で、アイマスクを両目に付けて。

そしてそして、この段ボールに君を入れて。

………何するつもりかって?

面白いことだよ。

とってもとーっても、面白いこと。

それじゃあちょっと移動するから、少しの間だけ我慢しててね。

………

………

………

………ふふっ。

これから君を家に連れってって―。

それからそれから、何してもらおうかな?

一緒にご飯食べたり、一緒にお風呂に入ったり、一緒にお布団入ったり。

何をしようかな?何をやってもらおうかな?

………んー?

なーんかゴソゴソしてるけど、結構きつーく縄縛ったから、君はもう動けないんだよ?

大丈夫大丈夫。これからとーっても、面白い日々の始まりだから。

まあそれが、君にとっても面白いかどうかは、別なんだけどね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ