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103 無気力系ダラダラゲーマー彼女は彼と一生家の中で退廃的に暮らしたい

「(カチャカチャカチャカチャ)

(カチャカチャカチャカチャ)

…ふっ。ほっ。はっ。

いけ、いけいけ。

当たれ、当たれ。

………よっしゃー!

(バタン)

………ん、お帰りー。

ねえ見て見て、今ちょうどランクゴールドの人に勝ったの勝ったの。

ほらほら、これこれ。

………ふっふっふ、これぞ私の実力だ。

…ところで、メシはー?

(ゴソゴソ)

…お、それか。

何かな、何かなー………

おー、焼肉弁当だー!

お肉いっぱい入ってるー。

わかってるじゃーん。

今日カップ麺しか食ってなかったから、超腹減ってんだよねー。

…そっちはナポリタンか。しかもハンバーグ付きの。

後で一口ちょうだいねー。

………えー、私のはやだ。

いいじゃんいいじゃん。勝利のお祝いってことでさ。

(パキッ)

いっただっきまーす。

………肉うまうま―。

………

…んー?うん。

今日は朝起きてからずっとゲーム。

昨日は惨敗続きだったから、今日はそのリベンジ。

………あー、起きたのは昼か。

カーテン閉めっぱだから、時間感覚あんまないよねー。

これ食い終わったらまた一緒にゲームやろうぜー。

…大丈夫大丈夫。

私がちゃーんと、アシストするから。

つか、一人でやるのと二人でやるのとじゃ、全然勝率違うしねー。

…まあ、恋人のあんたが私を庇って死んでくれたら、ランクもうなぎのぼりっつー話。

そろそろランクシルバーに届きそうなんだけど、これがなかなかの壁でさ。

………にしても、一日中ゲームできるのサイコー!

起きてー、ゲームして―、食って―、で、寝てー。

起きたらまたゲーム。

ダラダラするのって本当サイコー!

君もそう思うよね。

………

…ハンバーグ半分もーらいっ!

ふっふっふ。

隙を見せたらいけないんだぞ。

………

あー、ごっそり肉持ってくなよー。

ひっどーい、私のお肉ー。

………ぐすん」




「(シュッシュッシュッシュ)

(タッタッタッタッ)

………

………

………

(バタン)

…んー。おかー。

………んー?

ログボとデイリー。

今日の分やっておくの忘れてたからさー。

………

よしっ。おーわりっ。

なんかジュースある―?

………ん、ありがと。

…っていうかさー。今日どこ行ってたーん?

朝…昼起きたらいないし。

で、なかなか帰ってこなかったから。

………

…えー、またあいつらに呼び出されてたの―?

………あいつらはあいつらでしょ。

いくら親戚っつっても、遠縁も遠縁でしょ。

はとこくらい違う奴らじゃん。

………あれ、いとことはとこって、どう違うんだっけ?

ま、いっか。

…それで?またお金の話されたの?

………だよねー、あいつらそればっかじゃん。

でもさー、いくらあたしが親の相続でたっぷりもらってるからって、遠縁の君にまで話するかなー、普通?

(………)

やーだよ。

なんでろくに顔を合わせたこともない人に、お金あげなきゃなんないの。

あれは私のお金だから。

…あ、いや。私と君のお金だから。

私と君が暮らしていくために使うお金なの。

他の人にあげるなんて絶対やだ。

…君だって、よく知らない人にお金なんてあげないでしょ?

…うん。それでよし。

(ピンポーン)

………あ、宅配便だ。

こないだポチッたゲームかなー。

それか最新のパソコンか。

………ねえねえ。早く取ってきてー。

………

何かな何かな。

なんにしても、すっごく楽しみー」




「(~~~♪)

………うーん、ここは炎技にするか。

いやでも、相手が交代してきたら………

…よしっ、ここは必殺技で………

………にゃー。やっぱ交代してきたー。

相性やっばー。全然HP減らなーい。

(バタン)

………ん、おかえ………

どしたー?

なんか、すっごい落ち込んだ顔しちゃってー。

何かあったー?

…あれ、そういえば君、今日どこ行って………

………

…えー、面接なんか行ってたのかよー。

で、その顔見るに落ちたと。

…どれどれー、こっち来い来ーい。

よし、そこ座って。

(なでなで)

よしよし。

(なでなで)

よしよし。よしよし。

(なでなで)

よしよし。よしよし。よしよーし。

大丈夫だよー。

面接に落ちたからって、君は全然ダメじゃないからねー。

むしろむしろ、落ちてよかったんだよー。

…なんでって、そりゃあ受かってたら、私と一緒の時間が減っちゃうじゃん。

お金は家にたーんとあるんだから、君は私と一緒に一生ここでダラダラ過ごしていればいいんだよ。

起きてー、ゲームして―、食べてー、で、寝てー。

そんな毎日を過ごしていればいいの。

それに、別にお金が無くなったっていいじゃんいいじゃん。

例えゲームができなくなっても。

例えここから出ていくことになっても。

例え食べるものが買えなくなっても。

私は君と一緒にいれさえすれば、後はどーでもいーの。

私と君だけの世界があればいいんだよ。

他のことなんて、どーでもいい。

だらだらだらだら。

私と二人で、無気力に生きていこうぜー。

………

あ、やば。時間なくなりそう。

とりあえずボタンボタン。

………

って、意味ない技選んじゃった。

………あー、やっぱやられちゃったー。

…ま、いっか。次々。

ねえねえ、次はどんな技出すか、君も一緒に選んでよ。

今日中にレート100、あげたいから」


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