100 罰ゲーム告白したギャルは段々と君が好きになっていったけど嘘がバレてしまって…
「(スタスタスタスタ)
…えっと、約束の場所、ここら辺だよね?
あいつは、っと………あ、いたいた。
おーい。
ごめーん、待った―?
呼び出したあーしが遅れちゃってマジめんごめんご。
………遅れてないって、優しい。
あんがと。
…で、君をここに呼び出した用事なんだけどね………
あのさ、よかったら、あーしと付き合わない?
前から思ってんだけど、ちょいちょい君のこと気になっててさー。
………えー、イケてんじゃん。
そりゃまあ、顔面の方はあれだけど…
でもでも、宿題写させてくれたり、落し物拾ってくれたりしたじゃん。
…いやいや、したした。覚えてないの?ちょーショック―。
………いいよいいよ別に、マジで謝んなくても。
…で、まあそんなわけだから、あーしと付き合ってみない?
………
…うん、そっかーそっかー。マジあんがと。
じゃあ今日から、あーしと君は、彼氏彼女ってことで。
とりま、連作先交換しとかね?
………
…よし、っと。
じゃあそこんとこよろしくー。
じゃねー。
(スタスタスタスタ)
………
………
………
………はあ。マジで付き合うことになっちったー。
テンション下がる―。
…ちぇー、いくら賭けに負けたからって、こんな罰ゲームマジないわー。
…あー、あそこで7で捨ててなかったらなー。ブタにならずにストレートになってたのにー。
なんで7捨てちゃったかなー。
ラッキー7捨てるとかマジついてなーい」
「………あ、やっと来た。
約束の時間過ぎてんじゃん。
あーし、ここで結構待ってたんだけど。
ま、少しだし別にいいよ。
走って来た君に免じて許してあげる。
…それよか、マジでなんで遅れたん?
君ってそういうのできないタイプに見えるけど。
………へ?迷子の子?交番に?
へー、マジでそういうのってリアルにいるんだー。
…いやいや、別に信じてないってわけじゃないって。
君ってそういう嘘吐きそうなタイプじゃないだろうしね。
てか、マジ君えらいじゃん。
いいこーいいこー。
………あ、めんご。
つい頭なでちゃった。
…そんなに恥ずかしがるとか、超ウケるんですけど。
………
で?今日どこ行こっか―?
…ん、映画館ね。
おっけー。
つか、あーし、ちょうど見たいやつが…
………え、あ。チケット?
しかもこれ、ちょうどあーしが見たかったやつじゃん。
え、あーし、これ見たいって君に言ってたっけ?
…あ、友達から聞いて………
へー、やっぱ、君やるじゃん。
いいこーいいこー。
………あ、めんごめんご。
じゃ、さっさと映画館にレッツゴー!」
「それでそれでね。
その時言い訳になんて言ってたと思う?
これがマジウケるんだけどさ、そん時言ったセリフがさ………
…うん?
ああ、いつの間にかコップ空になったわー。
………え、お代わり持ってきてくれんの?
マジあんがとー。
………うんうん。アイコーアイコー。
砂糖とミルクはたっぷりでよろー。
………
…って、うわっ。もうこんな時間だー。
思ってたよりも結構喋ってるし。
なんか、あいつすっげー話しやすいなー。
あーしの話。嫌な顔せずに全部聞いてくれるし。
そのくせ、気が利く時は利いてるし。
思ってたよりは、いい奴なのかも。
………
…あ、あんがとー。
(チューチュー)
…プハァー。やっぱアイコーはこんくらい甘くないとねー。
ブラックとか飲むやつマジ気が知れんし。
………ん、急にどしたん?
小包なんか取り出しちゃって。
………プレゼント?
えー、いやそんな悪いってー。
…そりゃあ、あーし達は彼氏彼女だけどさー。
…わかった。あんがと。
ね、ね。開けてみてもいい?
………えー、いいじゃん別にー。
開けちゃえ開けちゃえ。
さーて、中身は何かな何かな…
………え、これって。チークじゃん。
しかもこのブランドって、結構高い奴だし。
…え、これマジあーしにくれんの?
………マジで?マジのマジで?
…やった!マジあんがとー!
マジうれぴー。
いやー、こんなんもらえるとは思ってなかったら、超予想外だったわー。
ホントのホントに、あんがとね」
「…なんか、最近、あいつといるの結構楽しくなってきたな。
もしあいつさえよければ、このまま………
………
…あっ、いたいた。
おーい、今日も一緒にお昼………
…え、あれ?なんか、あった?
なんか君、怒ってない?
………
…え、あ、えっと、それは………
………
…う、うん。そだよ。
君に告ったのって、罰ゲーム、だったんだ………
…あ、え、いや、でもね。
最初はそうだったのかもしんないんだけどね。
でも、あーしも君と付き合ってる内に段々とさ………
………え、別…れる?
…え、あ、いや、あのね。
で、でもでもね。最初は確かにそうだったのかも知んなけど、あーしは………
(スタスタスタスタ)
…行っちゃった。
………
………なんで。
なんでなんで。
なんで…
どう…して………」
「(スタスタスタスタ)
…あっ、いたいたー。
ごめんねー、突然こんなところに呼び出しちゃってさー。
それでー、君をここに呼び出した用事なんだけどー………
あのさ、よかったら、あーしと付き合わない?
………え、なんで?
この間は、OKしてくれたじゃん。
あーし、君のこと本当に好きなの。
…確かに、最初に告白した時は、そんなに好きじゃなかった。
でも、付き合い始めて、君と一緒にいたり、デートに行ったら、段々と君が好きになったんよ。
君のいろんな面を見て、いろんな面が好きなったんだ。
だから、だからだから。
マジであーし、君のことが好きなの。
………
………
………
…そっか、ダメなんだね。
フ…フフ………
…え、これ?
見りゃわかるっしょ。カッターだよ、カッター。
(チキチキチキチキ)
どうするかって、それは、ね。
(スパッ)
………ん?
へーきへーき。
そりゃ、こんな赤くなって、全然痛くないわけじゃないけど、でも…
君に拒絶されるのは、もっともっと痛いんだよ。
心をぎゅっと握られるような、張り裂けそうな、そんな痛みに、覆われるの。
そんなのに比べたら、これなんて、全然、これっぽっちも、痛くないんだよ。
…いいよ、いいよ、君は気にしないでさ。
これは、あーしが勝手にやってることだから。
でもなー、最近、こんなんじゃ全然、心の方の痛みが紛らわせないだ。
次はもっと、大げさなこと、しないといけないね。
そう、例えばー………」




