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新人魔女の魔道具製作(7)

 全ての水晶が反応しているということは、フェンは五大属性の魔法が全て使えるということなのだろう。リッカは驚きを隠せない様子でフェンを見た。しかし、当のフェンはまだ状況が分かっていないのか、きょとんとした顔をしていた。リッカはフェンに属性判定の結果を伝える。


「フェン。見て。あなたは五大属性全てに適性があるわ!」


 リッカの興奮した様子にようやく事を飲み込めた様子のフェンは、自分が五大属性全てを使えるということに心底驚いた顔を見せた。


 まさかフェンが五大属性全てに適性があるとは思わなかった。そうなると、魔力を安定させるための補助具は五つ全ての属性に対応した物でなくてはならない。そこでリッカは腕組みをしてしまった。魔道具というものは、付与する属性の数が増えれば増えるほど、複雑な工程を経なければならず、時間がかかり作るのが難しいのだ。


 リッカはどうしたものかと考える。もともと、火と水の属性があるだろうとは思っていたので、二属性に対応した魔道具を作ることになるだろうと、心積りはしていた。単属性や二属性に対応するくらいの物ならば容易にできる。しかし、五大属性全てとなると、その難易度の高さに尻込みしてしまう。そこまで思い至ったところで、リッカはふとあることを思いつき、握りしめたままだった属性判定の魔道具を見た。


 単属性に対応した魔道具の作成ならば簡単なのだ。


 リッカは、自身の閃きを実行すべく、鞄の中へと手を伸ばす。リッカの鞄の中には、まだ使われていない素材が大量に入っている。その中から適当なものを選び、次々と取り出した。火属性を宿したヒヤシンの花弁、水属性の魔力が宿った、今朝戦った魔魚の内臓、雷属性を宿した魔蜂の毒針、風属性を宿した魔鳥の卵の殻、土属性を宿した魔鼠の長爪。


 全属性の素材が揃うと、次にリッカは小粒な水晶を探し始めた。水晶は魔力を込めやすい素材なので、魔道具を製作する際にはよく用いられる。この洞窟の水晶は純度が高く、魔道具の素材としてはうってつけだった。


 リッカは、手頃な水晶を五つ集めると取り出したそれぞれの属性素材と一緒に並べ、早速、素材の調合を始めた。


 まずは火属性のヒヤシンの花弁をすり鉢に入れ、慣れた手つきで擦り潰す。水晶は液体状になるまでかき混ぜる。粉末になった属性素材と液体になった水晶を混ぜ合わせ、火属性の魔力を込めながら丁寧に練り込むと、無色だった水晶が淡い赤色の光を放った。

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