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新人魔女は、のんびり森で暮らしたい!  作者: 田古 みゆう


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新人魔女は、やっぱりすごい!?(1)

 新人魔女のリッカはまだ夜が開け切らぬうちに目覚めた。ベッドからモゾモゾと這い出ると、いつも通り工房へ行く準備をする。


 リッカが身支度を整え終えたその時、タイミングよく自室のドアをノックする音が聞こえた。


「リッカさん。おはようございます」


 訪ねてきたのは義姉のエルナだった。リッカはドアを開けると、エルナを部屋の中へ招き入れる。


「おはようございます。お姉様。いつもお早いですね。今日は何か御用ですか?」

「ええ。……その……今日は工房へ行きますよね?」


 そう問うエルナはどこかうずうずとしていて、リッカは思わず首を傾げる。


「はい、行きますが?」

「あの、私もご一緒してもよろしいですか?」


 先日エルナの部屋と森の中の工房を繋ぐ転移魔法陣を設置したので、エルナは出かけたくて仕方なかったのだろう。


 エルナの申し出にリッカは顔を綻ばせる。しかしすぐに心配そうに眉根を寄せた。


「わたしは構いませんが。でも、お姉様のご予定は大丈夫なのですか? 昨日自由に過ごされていたと言うことは、本日はお母様に何か予定を入れられているのではありませんか?」


 エルナは、一瞬ギクリとした様子を見せる。それからバツが悪そうにぎこちない笑みを見せた。


「実は午後から舞踏と社交のお稽古があるのです。ですが、朝のうちは予定もありませんので。魔法陣の起動キーもお預かりしておりますから、お稽古に間に合う様に(わたくし)一人でこちらへ戻ってくれば……」


 必死で言い募るエルナに、リッカはクスクスと笑う。


「分かりました。では一緒に工房へ行きましょう。帰りも心配しなくて大丈夫ですよ。わたしもミーナさんのお店に用事があるので、午後はこちらに戻るつもりでいますから」


 リッカの了承を得たエルナは、ホッとした様子で笑みを見せた。自身だけで戻ると言ってみたものの、一人で転移陣を通る事に多少の緊張があったようだ。


 話を纏めた二人は急いで朝食を取り、早速工房へ向かう。


「起動します」


 リッカはエルナの部屋に設置された転移魔法陣の前に立ち、魔法陣へ魔力を流す。すると、魔法陣が淡い光を放ち始めた。魔法陣が起動したのだ。


「では、行きましょう」


 リッカは緊張した面持ちのエルナに手を差し出す。リッカとエルナは手を繋ぎ転移魔法陣の中へ足を踏み入れた。転移空間内は白っぽい光で包まれていた。慣れて仕舞えば怖いということはない。最初はおっかなびっくり歩いていたエルナもすぐに慣れた様子で笑顔を見せた。

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