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新人魔女とアドバイザー(7)

 そして、少し考え込むように顎に手を当てる。


「……では、精霊を付与できない物はありますか?」


 エルナの問いにリッカは、軽く首を振る。


「物であれば、親和性という条件が満たされればなんでも大丈夫です。ただし、人や生物など、いわゆる生き物には精霊を付与することはできません。自我と精霊からの干渉との間で板挟みになり自我崩壊を起こすと言われています」


 どうやら何かを思いついたらしいエルナは、リッカからの答えを満足そうに聞いた。そんな義姉の反応に、リッカは少し困ったように笑う。


「頭の中にいろいろと知識はあるのですが、応用となるとなかなか上手くいかないものです」


 そう言って少し眉尻を下げて困ったように笑う義妹にエルナは優しく微笑みかけた。


「では、よろしければ私の考えをお話しても?」


 リッカが戸惑いながら頷くと、エルナはピッと人差し指を立てた。


「今、リッカさんが悩まれていることは、オーダーメイドという形で注文を受ければ、解決すると思うのです」

「オーダーメイドですか?」


 リッカが首を傾げながら尋ねると、エルナはコクリと頷く。リッカは、義姉の言わんとするところが分からず怪訝な表情を浮かべた。そんなリッカの様子に、エルナは笑みをこぼす。


(わたくし)の時と同じですよ。私のペンダントにリッカさんが精霊を付与して下さったように、買ってくださった方のためにお作りするとなれば、それほど難しいことではないのでしょう? 万人に合わせた物を作ろうと思うから難しいのです。誰でも使えるものは既にこちらにあるのですから、差別化を図らなくては」


 そう言ってエルナは既に出来ている試作品を指し示す。


 確かに義姉の言うことは尤もである。リッカ自身も差別化を図るために、一方の試作品には精霊を付与し、思い出の映写が出来ないかと考えたのだから。


 リッカが思案げな表情で黙り込むのを見て、エルナは言葉を続ける。


「それから触媒になる物ですが、手の中に握れるくらいの水晶というのはどうでしょう?」

「水晶ですか?」


 リッカは驚いたように、エルナの言葉に反応する。


「ええ。オーダーメイドですし、差別化を図るためにも、こちらは少し高級感を出した方が良いと思うのです」


 義姉の提案にリッカは「なるほど」と頷く。


「しかし、魔法を付与した魔道具とはいえ、所詮は雑貨です。水晶を使うとなると安価では……そうすると、オーダーメイドしてまで購入する人がいるかどうか……」

「問題ありません」

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