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新人魔女の初オークション(3)

 デイジーにお礼を言っていると、カウンターの奥からギルド長が姿を現した。その後ろにはジャックスとミーナの姿もある。三人は二人の側へとやって来た。


「やあ、お待たせして申し訳ない」

「おはようございます、ギルド長。それにジャックスさん、ミーナさん」


 リッカが挨拶すると、二人は同じように笑顔で応えた。


 エルナも慌てて挨拶をする。


「お初にお目にかかります。ギルド長様。エルナと申します。本日は(わたくし)もオークションの見学させていただいてもよろしいでしょうか?」

「ああ、もちろんだとも。どうぞ、ごゆっくり」


 エルナの言葉にギルド長は相好を崩して頷いた。エルナはジャックスとミーナの方へ向き直る。


「ジャックス様もお初にお目にかかります。以後、お見知りおきくださいませ」

「ああ、こちらこそよろしくな」


 ジャックスは軽く手を上げて挨拶する。


「ミーナ先生、先日は素敵な講義をありがとうございました。色々と教えていただいたのにご挨拶も十分に出来ず、申し訳ありませんでした」

「いいえ、お気になさらないでください。エルナ様。また機会がありましたら、ぜひ店の方へもいらして下さいね」


 ミーナはエルナに優しく微笑む。


「二人とも、今日はオークションに参加されるのですよね? 私もご一緒してもいいかしら?」


 ミーナの言葉にリッカは頷く。


「もちろんですよ。道すがらお姉様と話していたんですよ。ミーナさんにまた会えるかもしれないと」

「まあ、そうだったの。楽しみにしていてくれたのなら嬉しいわ」


 そう言ってミーナは悪戯っぽく笑った。リッカとエルナもつられて笑う。一同の間に和やかな空気が流れる。


「それじゃあ、オークション会場へ行きましょうか」


 ギルド長がそう言って先導する。リッカとエルナと連れ立ってギルド長の後ろをついて歩く。廊下を進むとやがて廊下の突き当たりに重厚な扉が現れた。扉の前ではデイジーとは別の女性職員が待機していた。


「まずは彼女に参加費を渡して下さい」


 ギルド長が説明をする傍ら、ジャックスとミーナは慣れたように各自参加費の銅貨を支払っている。リッカもそれに倣い鞄から財布を取り出すと、自身とエルナの分の参加料を支払った。


「リッカさん。私の分の支払いは自分で……」

「これは必要経費です。工房の運営費から賄われるはずですので、気にすることありませんよ。ですよね、ギルド長?」


 リッカの言葉にオリバーが静かに頷く。エルナは納得したようで素直に引き下がった。

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