表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新人魔女は、のんびり森で暮らしたい!  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

311/461

新人魔女とギルド長(7)

 それから、ふと思い出したように手を打ち鳴らす。オリバーのぱんと手を打つ音にリッカは驚き、ジャックスは面倒くさそうに溜息を吐いた。二人の反応に微笑みながらオリバーが口を開く。


「そうだ。ギルドでは加入者の方へオークションへの参加をお願いしているのですが、お嬢さんも参加をお願いします」

「あ、はい。ジャックスさんからその件については事前に伺っています」

「そうでしたか。では早速、今月参加されてみては如何(いかが)ですかな?」


 オリバーはそう言うと椅子から立ち上がった。執務机から一枚の羊皮紙を取ると、リッカの前に差し出す。


「こちらが今月のチラシです」


 リッカは差し出されたチラシを戸惑いながら受け取る。表には目玉商品である宝石の絵とともに、オークションの開催日が大きく記されていた。裏面には他に出品される品物の名前などが記載されている。リッカが受け取ったチラシをジャックスも覗き込む。


「ほう。今月の目玉は宝石か。ミーナが食いつきそうだな」

「そうなのですよ。出品者から事前に商品を見せてもらいましたけど、随分と純度の高そうな宝石でしたよ。是非ミーナさんにはお越しいただきたい。だけど、体調の方は良いのですか。妊娠ともなると私たち男には分からないこともあるでしょう。あまり無理をさせてはいけませんよ」

「分かっている。最近はようやく食べられるものが見つかったんだ」


 ジャックスがそう言うとオリバーは安心したように頷いた。彼の表情からは息子の嫁であるミーナに対する深い愛情を感じることができる。二人がそんな他愛ないやりとりをしている横でリッカはチラシを見ていた。


「ラウルさんも出るんだ」


 そう呟いたリッカにジャックスが気が付いた。そして不思議そうに尋ねる。


「どうした?」

「あ、いえ。ラウルさんが出品するそうなので……つい」

「ああ。お知り合いの方ですか。では、どうです? お嬢さんも是非ともご参加されませんか?」

「でも、オークションは明日なのですよね?」


 リッカはチラシの表面をもう一度確認する。


「明日すぐに出品できるものなど、わたし……」

「ああ。これは失礼。出品者は事前登録が必要なので、さすがに今日の明日では手続きが間に合いません。ですが、落札者側は参加自由ですので、当日ギルドへお越しいただければ大丈夫なのです。ちなみに、オークションへの参加費は、出品者の場合は落札価格の一割を、落札者の方には入場料として銅貨一枚を頂いております」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ