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新人魔女と楽しい貴族教育(1)

「ミーナさん、おはようございます」

「おはようございます。ミーナ先生」


 ミーナの店が貴族教育の場として相応しいかどうかを議論した翌日、ロレーヌは馬車でリッカとエルナを店に送り届けた。


「おはようございます、お嬢様方」


 ミーナはそう言いながら胸に手を当てて一礼する。そして顔をあげると言葉を続ける。


「本日はご来店、ありがとうございます」


 そう言うと、リッカとエルナの顔を見て笑顔を見せた。


「それでは早速ですが、お勉強を始めましょう」

「はい! お願いします」


 ミーナの言葉にリッカは元気よく返事をした。エルナは初めて来たミーナの店の様子を興味深そうに眺め、周囲の商品にも目を向ける。その様子を見たミーナはエルナに声をかけた。


「リッカ様は何度かこちらへお越しですけれど、エルナ様は初めてですね。もしよろしければ店の中を案内させていただきましょうか? ……と言っても、それほど広くはないのですけれど」

「え? 宜しいのですか?」


 エルナはミーナの言葉に少し驚く。


「もちろんです。市場調査をする事は、経済発展を考える上でとても重要な事ですからね」


 ミーナはそう言うとイタズラっぽくエルナに笑いかけた。笑みを向けられたエルナは途端に顔を赤く染める。


「あれは……なんとかリッカさんの力になりたくて……」


 エルナの言い訳じみた言葉にミーナは笑って答える。


「ふふ、分かっておりますよ。それでもエルナ様ご自身も経済発展や市場調査の重要性を感じておられるから、あの様に仰られたのでしょう?」


 ミーナの言葉にエルナは小さく頷く。


「ご立派な事だと思います。しっかりと先のことを考えておられて。ロレーヌ様もそのことがお分かりになったからこそ、こうして邸の外で学ぶ事をお許しになられたのだと思いますよ」

「そうでしょうか? (わたくし)、無理を言ってミーナ先生や母を困らせてしまったのではと、気にしていたのです」


 そこへ二人の様子を側で見ていたリッカが、会話に割り込む。


「わたしやリゼさんに比べたら、お姉様の我儘なんて大したことないですよ。それに今回の事は、わたしが言い出したんです。お姉様は後押ししてくれただけですから、我儘でも何でもないです」


 リッカがそう言うと、エルナに笑みが戻る。


「何故そこでネージュ様のお名前が出てくるのです?」

「だってリゼさんってば、この前も……」


 リッカが調子に乗って何かを話し出そうと口を開きかけた時、それを遮る様にパンパンと手が打ち鳴らされた。

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